説得上手な教師はどのように子どもを説得しているのか
教師が子どもを説得するというと、「子どもを教師の意に沿わせようとする」意味合いを強く感じる。
しかし、教師が子どもをコントロールしようとすればするほど、実際、教師の思い通りにはならないことがある。子どもの心には、あらがう力(抗う力)というものがあり、教師が強く働きかけると、それにあらがおうとする気持ちが起こることがある。
学校現場では、「どうしてあの先生の言うことだと、子どもは素直に聞くのだろう」と思う教師がいる。私たち教師は「子どもたちを説得するコツを教えて欲しい」と内心思っている。
そこで、説得上手な教師のそばに行ってコツを探ろうと、子どもを説得する話の内容を聞いていても、「説得のコツ」などというものはない。強いて言えば「子どもの話を丹念に聞いているなあ」くらいのことを感じるのがせいぜいである。つまり、説得上手だという教師は、実は説得していないのである。
多くの教師は、子どもを指導するとき、説得しようとする。なぜ、その行為がいけないのか、教師が話すことで子どもに認めさせようと躍起になる。
しかし、そうした指導では、教師ばかりが熱くなって効果はうすい。かえって、子どもは教師に押しつけられ、従わされたと思うようになる。
そこで、例えば、子ども同士のトラブルがあった場合、次のように工夫する。
(1)事実をていねいに聴き取る。
「何があったの、誰がいたの、なんて言ったの、具体的に教えて」
(2)そうしてしまった理由を尋ねる
「そのとき、どんな気持ちだったの」
(3)理由や心情を認める。
「○○と思う気持ちはよく分かるよ」「先生も、同じように思うよ」
(4)現在の感じ方を確かめる
「いま考えると、この出来事をどう感じている?」
「自分でできること、いま思い浮かぶ?」
このように、説得するのではなく、問いかけによって、子どもの話を聞いてあげ、受容し、子ども自身から、望ましい答えを引き出す方が結果的に、子どもの納得を得られることになる。
(山田洋一:1969年北海道札幌生まれ、私立幼稚園に勤務後、北海道公立小学校教師。「北の教育文化フェスティバル」代表、「お笑い教師同盟」副代表、「実感道徳研究会」副代表)
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