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不登校の対応と、ならないようにするにはどうすればよいか

 何も兆候がなく不登校になったり、非行や犯罪に走ったりすることはありえないことです。子どもの小さな変化を見逃さないで、早い対処をすれば、子どもを立ち直らせることは親ならできると私は確信しています。
 元来、人間として基本的に持っていなければならないものは、しつけによって身につけるものです。例えば、公共の場では大声を出さない、目上の人に対する態度や言葉づかい、あいさつであったりします。そうしたしつけを身につけずに学校に入学していくから、授業中に席を立ったり、教師に反抗したり、様々な問題を生んでしまうのです。
 私は「あたりまえのことが、あたりまえにできる」ようにと考えて教育しています。あたりまえのことが身につけば、ふつうに生活していくことができるのです。問題を解決するにはこの基本が一番大事です。
 ふだんから子どもの小さな変化に大きな関心を持ってあげなければなりません。当然、兆候があるのに、単に問題に気づいていなかったか、問題から目をそむけてきただけです。
 だから一度や二度学校に行かないぐらいでは、不登校になるとは思っていない親がほとんどです。後になって、不登校になってしまうことは普通に起こりえることなのです。問題は小さな芽のうちに刈り取ることが重要で、兆候を見逃さないようにしようという姿勢が大事です。
 不登校になる前に「学校に行きたくない」と言ったり、朝起きられなくなったり、表情が沈んでいたりするものです。毎日の子どもの表情や会話から変化を読み取る努力をしなければいけません。私は毎日の生活を通して「子どもは何を考えているのか?」「今日は顔色が良くないな?」「なぜ不機嫌なのかな?」と、そんなことばかり考えていますから、大体のことは把握できます。
 だから私にできて親にできないはずはありません。一番子どものことを気にかけているのは親に決まっているからです。子どもの変化に気づくようになったら、どう対処するかを考えるのは当然です。この対処を間違えて問題を大きくするケースが本当に多いのです。
 「学校に行きたくない」と子どもが言えば、一度や二度ぐらいならと、休むことを許してしまう親が多い。行きたくない子を行かせようとすれば反抗するからと逃げてしまったり、いじめがあるのなら学校に行かせなければ問題は起こらないと考える。
 しかし、実際には学校を休ませたところで何も問題は解決しません。それは原因が自分の子ども自身にあることが多いからです。子どもは学校に行かなくていいんだと都合よく考えしまいます。いったん楽を覚えてしまった子どもを学校に行かせようとすることはとても難しくなってしまいます。
 「学校に行きたくない」と聞いたら、真剣に子どもと話し、原因をはっきりさせることです。「不登校になんかなるわけがない」という楽観的な考えは捨てることです。
 子どもとただ話をすればいいというわけではありません。私が見てきた親に多いのは「学校に行きなさい」です。これでは、あまりにも表面的です。子どもの意見は聞き入れられず、強制ばかりする親だと、子どもから敬遠され、悪い方向に行くこともあります。
 変化に気づいたら、とにかく声をかけてあげる。そうすれば必ず反応がでます。親からまずアクションを起こすことです。子どもからは待っていても期待できません。
 ひきこもりの子どもというのは家族に対して不満を持っていることが多い。なぜ自分の気持ちが分かってくれないのだという不満です。「何のために勉強するのか?」「何のために朝起きるのか?」そういったものがないからひきこもっているのです。
 表面的なものだけを見て注意するのは本人とってこれ以上つらいことはない。「何のために」を作ってあげるために、希望のある話をしてあげ、いろいろなものを見せてあげることです。親が自分の経験で楽しかったことや社会の中に出て興味を持ったことなどを話して、雑談でもいいから本人の話を聞いてあげる。何に興味を持っているのか、まず聞き出すことが最初で、それがわかったらどんどん興味のある話をしてあげます。
 「何のために」ができれば、そうなるためにどうすればいいのか教えてあげれば、子どもは話を聞くようになるのです。子どもはみんな、親だけは自分の味方であってほしいと思いっています。
 まず一番大事なことは「何のために」という希望や目標を作ってあげ、やる気にさせてあげることなのです。それがないうちはいくら注意なんかしてもムダだと思っておいたほうがいいかもしれません。「何のために」というところに注目して、愛情を注いであげれば子どもは必ず親のところに戻ってきますよ。
(
伴 茂樹:心理カウンセラー。不登校、引きこもり、家庭内暴力などを解決するために、全国から青少年を預かり、私塾を40年以上営む。教育の中にゴルフを取り入れるというユニークな方法で、立ち直らせた子どもは1000人以上という実績を持つ。青少年育成クラブで子供たちの教育指導を行っている。講演、TV出演多数)

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