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学級を育てる教師、育てない教師とは

 これまで、ずいぶんと多くの教師と出会ってきました。「すごい教師だな」と感心させられる教師がいました。きびしくて、おもしろく、力をつけてくれる教師です。ダメなことをしたときには、きちんとダメであることを指摘し、そのわけを教えます。授業にユーモアがあってたのしくし、きちんと教えて子どもたちに力をつけます。
 反対に「一体、この教師はどうなっているの」と首を傾けたくなることもありました。嫌味を言う、えこひきする、暗い、しつこい、言うことが変わる教師です。
 これらの出会いを振り返ってみると、学級をダメにする教師と学級を育てる教師にそれぞれに特徴があることに気づきます。
 学級をダメにする教師は、「物事を悲観的に見る、まじめすぎる、授業の運びがうまくない、自ら学ぼうとしない、すぐに嫌になったと言う」といったタイプが多いようです。
 学級をダメにする教師は、物事を悲観的に見ます。「子どもにやる気がなくて困ります」「私にも力がなくて」と、いつも悲観的に考えている。教室の雰囲気も暗くなり、学級は沈滞していきます。
 まじめすぎる教師も学級を育てられない。まじめすぎるあまり、許容範囲が狭くなり「ダメ、ダメ」と禁止します。子どもたちは窮屈な雰囲気の中にいることになり、学級に活気がなくなります。また教師自身もストレスが溜まりやすく暗くなることが多くなります。その結果「負の悪循環」が起こり、学級は育たなくなります。
 学級は常に問題が発生します。問題が起こったとき「チャンスにして伸びていくわ」と、おおらかに受け止めることです。
 逆に、学級を育てる教師は「気迫がある、明るく肯定的に物事を見る、子どもたちをうまく乗せる、授業の流し方がうまい、自ら向上しようとする」といったことが言えます。
 すご腕の教師だと感心させられる教師は、「この学級からいじめは絶対ださないぞ」といった強い願いを体中から発散しています。心に秘めた強い意志と気迫が感じられます。
 また、学級を育てる教師は、子どもの乗せ方が大変うまいことにも気づきます。子どもを伸ばす名人は、子どもをその気にさせることに優れています。がんばっている子を見て「いい調子だ。その調子でやればどんどんよくなるよ」と持ちあげる。言葉かけ一つを取りあげても違います。子どもをその気にさせる腕を磨きたいものですね。
 学校生活の大部分は授業です。授業を充実させることが子どもを育てていく土台です。一日に一時間は、子どもが目を輝かせる授業をする。このことを本気でやり通すことで子どもの目の輝きが変わってきます。
 子どもを伸ばし、学級を育てる最終のポイントは「教師が自らも成長しようとする向上心」です。教師自身が知的に成長しよう、授業の腕を上げようと努力している姿が子どもの目に映り、いつとはなしに子どもの成長に大きな影響を与えていくものです。
 私が授業を録画し、放課後に教室で再生して見ていると、子どもたちは「何で授業のビデオばかり見ているの」と尋ねました。「みんなに少しでも分かる授業をしたいから授業の勉強をしているんだよ」と答えると、子どもはニンマリしながら「先生もがんばっているね」と励ましてくれました。笑顔の中に共感の親しみを表しているようでした。子どもの成長は、教師の成長と共にあります。
(
山本昌猷:1942年生まれ、元石川県公立小学校校長、教師の交流館「わいわいハウス」開設)

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