« 跳び箱を子どもたち全員が跳べるようになると、クラス全員が成長する | トップページ | 学級担任として基本的に身につけなければならないことは何か »

間違った指導は子どもが荒れる、指導を見直し考え方を変えると問題行動は激減する

 荒れた学校が落ち着いた学校へと変わるとき共通しているのが「荒れた生徒ばかりに取り組まない」という事実がある。学校には「荒れた生徒」、「まじめな生徒」、最も人数が多い「中間的な生徒」がいる。「中間的な生徒」が「荒れた生徒」の側につくと学校は大きく荒れていく。逆に「中間的な生徒」が「まじめな生徒」の側につくと、それ以上荒れにくい。
 「荒れている生徒」には最低限の指導をし「中間的な生徒」を育てるようにするとよい。たとえば、学力の低い生徒の指導を充実させ、頑張っている生徒が活躍する場を作る。悩んでいる子にはていねいに相談にのる。このように、中間的な生徒集団を育て、教師が支持されることで、荒れた生徒の問題行動を抑制することになる。
 「荒れた生徒ばかりに取り組まない」というのには前提があり、「生徒が問題行動をエスカレートさせない壁」が必要である。この壁がない学校は荒れに歯止めがかからない。思春期の抑制できないエネルギーには抑制が必要なのである。
 壁のある学校に共通しているのは「教師集団」「親」「法律」の壁が高く確立していることだ。これ以上は許さないという教師集団の一致した断固たる壁である。壁は生徒に事前に明らかにしておくことが重要である。親と相談し学校と共に取り組む壁も重要である。これらの壁が崩れたときに使われるのが法律の壁である。警察の力を借りて警察の力で収めてもらって、そこから新たな教育が始まる。
 荒れている学校は落書きや破損が起きる。犯人捜しに追われる。荒れを克服していく学校は、犯人捜しに時間を使わない。手のあいた教師が修理する。通りがかる生徒に手伝いを呼びかける。教師の怒りを話すと同調して手伝う生徒も増える。「中間的・まじめな生徒」と取り組みを行うのである。
 荒れている学校は教師の指導が入らなくなった状態をいう。注意してトラブルになってしまいそうなときは、どうすべきか学校全体で事前に合意しておくことは、とても重要なことである。荒れの初期では「注意してトラブルは起きてもよい」という教師の合意があれば、教師の気迫に圧倒されて生徒はつまらない挑発はしなくなる。
 荒れを克服した学校に共通しているのは、荒れている子の親と共同して取り組むことに労力を使っている。今日の生徒指導は親との共同なしにはうまくいかない。保護者が集まる機会には必ず生徒指導の説明をしなければならない。
 私は保護者会の前には説明を実演し録音した。それを親になったつもりで何度も聞いた。親にどうしてほしいのか具体的に提起しているか。不可能なことを要求していないか。明るい見通しも語っているか。こんな疑問を想定しながら録音を聞き、何度も修正した。
 問題を起こした子どもの親はわが子の非はわかっているが困り果てているのだから、親を叱責して追い打ちをかけるようなことをしては共同する関係はつくれない。まず信頼関係が生まれるようにすることだ。
 荒れを克服した学校は、初期の荒れのメッセージ(教師や親を試す、目立ちたい、注目してくれなど)を読み取ろうとする。荒れのメッセージは親や教師に対して発している。背景には家族関係であることがほとんどである。その生徒の話をまず聞くことだ。この読み取ったメッセージについて親と相談を始めなければならない。
 親と共同するには荒れる前から定期的に親と相談することを欠かさないことだ。親と共同して取り組み、少しでも前進があれば親をほめることが一番大切だ。
 生徒のトラブルが起きたら大勢の教師が駆けつけ、生徒が興奮しても「止めなさい。きみの行為は認められない」と言うべきだ。激しい荒れを克服した学校に共通している対応だ。「中間的な生徒」に教師集団が信頼されるためには、毅然とした姿勢を示したほうがよい。「先生たちは厳しいぞ。あんなことすれば、当然だよ」と受け取るだろう。
 荒れている生徒の言動に教師は不快感をたえず抱く。やがてその目は少し乱れた中間的な多数の生徒にも注がれ、生徒指導に悪い影響を与える。こういう子どもの見方を反省すべきだ。
「全部ダメな子はいない」と見ると、子どものいろいろな面を見ることができ、いいところが見える。その結果、子どもたちの言動の背景や原因にたどりつくことができるかもしれない。
 生徒指導には「必ず」ということがないのでやっかいだ。指導が全ての学校に当てはまるわけではない。子どもをまず観察するしかない。休み時間の言動、友だち関係、乱暴な言動に友だちはどう反応しているか、きっかけは何なのか、乱暴してない時は何をしているのか、などいろんなことがわかってくると、最も適切な指導方針を立てやすくなる。親と話すときも具体的に伝えることができる。
(吉田 順:1950年北海道生まれ、37年間横浜市立小・中学校教師。生徒指導部長16年、学年主任13年。生徒指導コンサルタントとして全国の荒れる学校と関わる。「生徒指導」ネットワーク主宰)

|

« 跳び箱を子どもたち全員が跳べるようになると、クラス全員が成長する | トップページ | 学級担任として基本的に身につけなければならないことは何か »

子どもの指導の方法」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 間違った指導は子どもが荒れる、指導を見直し考え方を変えると問題行動は激減する:

« 跳び箱を子どもたち全員が跳べるようになると、クラス全員が成長する | トップページ | 学級担任として基本的に身につけなければならないことは何か »