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学級担任として基本的に身につけなければならないことは何か

 若い教師が退職する原因の多くは、子どもがいうことをきかない、子どもがわからない、授業が成立しない、保護者とうまくつきあえない、といった学級担任として基本に関わることです。
 現在の学校は、保護者の価値観の多様化、勤務条件が悪化などでいそがしく、若い教師がアドバイスを受けるゆとりもありません。子どもたちと信頼関係や学級集団をつくる基本はどのようにすればよいのでしょうか。
 子どもと関わりを持つことで教育が成立します。学級の子どもと接することから担任の仕事が始まります。教育は子どもの実態に基づいて営まれるものです。子どもの実態をとらえることは教育の根幹にかかわる重大事です。
 子どもの観察の初歩は対話にあります。話をする機会を作るのは意外と難しいものです。意図的に話をしようとすべきです。子どもらしさは子ども同士で遊んだりするきに表われます。休み時間だけでなく、給食を一緒にとりながら話すとその子らしさが見えてきます。
 子どもと信頼関係を築くのであれば、子どもを知り、その子のありように応じた関係を築かなければならない。「この先生は自分のことをよく分かってくれる。困ったときには、この先生が助けてくれる」と子どもが思ってくれないと信頼関係は築けないのではないでしょうか。その子をとりまく人間関係を理解し、その子の現状を理解してこそ真の信頼関係ができると思います。
 私が勧める子どもと一番の交流の方法は「子どもと一緒に遊ぶ」ということです。担任が子どもと楽しく遊ぶ技を持った、ガキ大将的な存在になれれば、子どもと交流するうえで大きな強みになります。遊ぶゲームは本やネットで様々な遊びが紹介されています。担任にとって困った言動をする子と遊ぶことを勧めます。
 子どもは学級の中で自分が担任から公平に扱われているか、極めて過敏です。「えこひき」すると担任は子どもたちから信頼を失い学級崩壊する恐れがあります。個人差に応じた指導をするさい、なぜ他の子と違う接し方をするのかを、本人と周囲の子どもが納得する説明が必要です。
 担任の仕事は学習指導、学級経営や生活指導、給食指導など多岐にわたります。子どもが納得するかどうかは、その説明にかかっています。子どもたちに納得させるとき、説明の内容や方法も大切ですが、目的は子どもたちの将来の幸せにあることを意識づけましょう。
 子どもたちが担任を好きになる秘訣は、担任が学級のすべての子どもたちを好きになることです。始め担任を敬遠していた子どもでも、担任から好かれていることを知れば、その子も担任のことを好きになるものです。
 学級の中にはどうしても馬のあわない子どもが必ず一人はいるものです。でもそんなことはすぐに解消します。担任が苦手な子を、まず好きになるのではなく、その逆をめざします。すなわち、担任が苦手な子どもが、担任を好きになればよいのです。それ自体が眼目なのです。
 子どもは担任から声をかけられるのを待っています。苦手な子どもこそ、担任から声をかけましょう。これをくり返すと、その子は自然と担任を好きになるものです。子どもに好きになってもらうことは、とても大切です。
 担任すれば子どもたちの言動を注意したり叱ったりする場面が必ず生じます。子どもの生命に関わること、人権にかかわることは本気で怒るほうが効果がある。
 問題が発生したときに、事実を確かめます。周囲にいた子どもの話を聞く必要があります。問題となっている子から話を聞き、わけや動機を確認します。何が悪いか気づかせます。何が悪かったか分からなければ教え、同じ過ちを犯さないよう指導をすることが必要です。
 若い担任が保護者の理解を得るためには、学級通信が果す役割はおおきい。担任の批判の多くの場合、校長や教育委員会へ訴えられます。その訴えとして「学級通信がない」と言われることがあります。保護者の理解を得るためには、隔週、少なくとも月一回は発行すべきです。
 保護者の関心事はわが子のことです。低学年では仲良しの友だちがいるか、きちんと勉強しているか、忘れ物はないか、給食を残していないか。中学年では、学習が難しくなり、友だちとのトラブルも少なくありません。高学年では中学校の進学を考えると学習の心配が多くなりますし、友だちつきあいも難しくなってきます。親は様々な不安を抱えています。
 これらの要望に応えるという点で、学級通信は有効です。学級の雰囲気や出来事を伝えるだけでなく、忘れ物がゼロの子を紹介したり、一人ひとりの子どもを取りあげることも大切です。子どもの詩や遠足の感想を掲載するのもよいでしょう。学習状況や進度の報告や、学習のポイントを紹介するのも喜ばれます。保護者に行事の感想や子どもの誕生日についての文章をお願いするのもよいでしょう。
(
石井 勉:東京都公立小学校教師、 琉球大学准教授を経て文教大学准教授)

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