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問題を抱える子どもを、どのように理解し対応すればよいか

 毎日の学校生活で教師が子どもたちの言動をみて「あれ?」「おや?」と気づくことは大切なことです。例えば、子どもたちの集団生活を指導していくうえで支障となるような言動や、学習のつまずき、言動の背後にあるその子の内面、などへの気づきがある。
 授業・休み時間・給食・清掃での観察や面接、交友関係、その子の興味、などから子どもの様子を見て取れることがたくさんある。問題を抱かえる子どもとの、つぶやきも含めたやりとりをも書き留めて理解を深めていく工夫をしていくとよい。
 教師が自分の目と耳と心で子どもを丸ごと理解していこうとする姿勢と工夫がきわめて大切である。多角的な視点で子どもを理解していくために、家庭や他の教師からの情報をも含めて、時間を追って積み重ねていくことが重要となる。 
 気になる言動をした子どもを腹立たしく思い、問題児ととらえないようにしたい。問題となる言動は、教師に与えられた課題と思い、どうすれば適切な手だてが講じられるかを考えようにする。
 教師一人で抱え込まず他の教師や保護者との協力を得ながら進めるようにする。教師に与えられた課題をチャンスと考えて、解決することが子どもを成長させ、教師自身も成長していくのである。
 教師が子どもに「なぜそのような言動をしたのか」丁寧に聴き取ることが理解の糸口になる。しかし、問題を抱かえる子ほど、うまく言葉で表現できないことがある。上手に聴き取るためにはカウンセリング・マインドの心得があるとよい。聴きとる技法にはつぎのようなものがある。
(1)
うなずき:うなずくことで相手に関心を示す。
(2)
繰り返し:子どもの話したことをくり返して、話をしっかり聴いていることを伝える。 
(3)
明確化:子どもの言葉にこめられている気持ちを明確にする。
(4)
質問:話の中の不明な点や背景をたずねる。
(5)
支持:子どもを肯定的に受けとめていることを示す。
(6)
要約:子どもの話を要約し、理解したことを確認する。
 問題を抱かえる子どもの話に教師が熱心に耳を傾ければ、子どもも嫌な気持ちにならないだろう。問題解決のための、子どもと教師のやりとりは、野球のキャッチボールのようなものである。
 問題を抱かえる子どもには、ある特定の状況が引き金になったり、思考や行動が特定のパターンをとることが多い。どのような状況に弱いのか、どのような行動に結びつきやすいのかを検討していくことが課題解決に結びつく重要なポイントとなる。
 例えば、キレやすい子や暴力をふるう子にはどのように対応すればよいか。
 このような子どもは、特に傷つくことに敏感で、自分を守るためには攻撃的になるしか方法を知らないことが多い。
 キレやすい子には、いらだちや怒りに結びつく要因や状況が必ずある。できるだけその要因や状況を回避できる手だてを講じておくことが重要である。
 できれば、学級の子どもたちに、その子の願いがどのようなものであるか理解を促し、共感できる子どもたちを育て増やしていくことが求められる。
 怒りを爆発させる前に教師が「イライラしているみたいだけど、どうしたの?」といった、ちょっとした言葉がけが、その子の爆発を止めることがある。
 子どもは理由もなく荒れることはない。教師が「どうしたの?」と温かく声をかけ、子どもへの気遣いを伝えるとよい。一呼吸おいて、子どもが考え、答えることで暴発を防ぎ、子どもの理解を深めることにつながっていく。 
 もし、子どもが怒りを爆発させた場合は、周りの子どもを遠ざけ、興奮が収まるまで待ち、別の場所に誘導することが肝要である。
 こうした子どもは、自分の怒りのメカニズムを自分で理解することが解決の糸口になる。子どもの苦しみや悩みに共感的に接し、「引き金はなんだったのか」を子どもに聞く。そして、今後、同じようなことが起きないようにするにはどうすればよいか話し合う。
 自分の気持ちを表現する別の方法を一緒に考える。その際、子どもが考えやすいよう、どのような具体的な方法があるか提示して、考える手助けをすることが求められる。
(
平井育子:川崎市公立小学校教頭)

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