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初任から定年までの教師人生とは、どのようなものか

 ベテラン教師を見ていると、教育研究から文化・芸術・スポーツ・趣味などまことに広い分野にわたって自己研鑽(ライフサイクルの変更をふくめて)にはげんでいる。
 このような姿を見ていると私は、スイスのヒューバーマンという研究者の教師のライフサイクルについての研究をよく思い出す。彼の研究を紹介した秋田喜代美(東京大学教授)によると、実際に160人の教師に面接調査し、教師のライフサイクルから発達課題をモデル化した。それによると、
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3年目の時期「生き残りと発見」
 初任者教師がそれまで大学で抱いていたイメージと実際の授業の困難さのギャップに悩み、教師として生き続けることの葛藤を感じながら、仕事に夢中になり手ごたえを感じる時代。
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6年目の時期「自立と選択」
 夢中で過ごした初任者から変化し次第に主体的に選択し安定感ができ、職場に責任感を感じる時代。
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40歳の時期「再吟味・再評価」
 この安定期は、人により2つの方向へと向かっていく。一方は積極的にさまざまな教材や授業方法を試み、新たな挑戦の意識と次の成長への準備ができる時代。
 他方、それまでの教師経験を通して意欲を育てられなかった場合は、中堅の危機として、マンネリズムに陥り、教師を続けるか転職するか自己の再吟味・再評価を迎える場合もある。
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60歳の時期「柔軟・保守」
 また、2つの方向性に分かれる。一方は、以前の熱い思いの授業から変化して教師としての自己を受け入れ、柔軟な授業ができる時代。
 しかし、他方では若い教師や子どもたちに不平・不満を述べ変革に抵抗し、昔の教育を肯定する保守的な方向に進む保守主義の時代に入る人もいる。
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定年退職「安らか・沈痛」
 そして、最後の定年退職のときも、それまでの教師経験に満足して退職する「安らか」な場合と、沈んだ気持ちで退職を迎える「沈痛」の場合とがある。
 もちろん、すべての教師のライフサイクルがこのモデルに収斂されるわけではないが、私はいつもこのモデルを「さもありなん」と思っている。
(
古川 治:1948年生まれ、大阪府公立小学校教師・指導主事・校長、東大阪大学教授を経て、甲南大学特任教授)

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