子どもが問題行動を起こしたとき、保護者と協力していくにはどうすればよいか
保護者とのコミュニケーションが非常に難しくなっています。私たち教師は子どもが問題行動を起こすと「すぐになんとかしなくては」と思いがちです。
教師は万能ではありません。時には、保護者の力を借りることだって必要です。保護者の力を借りるようにしていくための大事な視点は、つぎのようなことが考えられます。
(1)教師は子どもを頭から非難してはいけない。
(2)教師が保護者に問題行動を伝えるときは、詰問口調にしない。
「こんなことがありましたが、お母さんとしてはどう思いますか?」と聴くようにする。
(3)保護者がわが子の問題行動について、勝手な思いを語ることがあるとき。
教師が納得できない内容であっても、教師はそれに対して批判してはいけない。「お母さんも、そう思っていらっしゃるんですね」と言うようにする。
(4)教師は子どものよいところを保護者に伝える。
教師が「私は何の理由もなく、しているとは思えないんです」と言って、子どものよい点を保護者にたくさん伝える。
(5)親の思いを教師に語ってもらうようにする。
親の思いについて、教師は「そうなのですね」と受け止める。
(6)親の意識をわが子に向けるようにする。
「お子さんは、お母さんが好きなのです。甘えられる一番の存在は、お母さんなのです」と、保護者の意識を子どもに向ける。
(7)保護者と教師が共に協力して取り組むようにもっていく。
「私も、○○さんが大好きです。お母さんと一緒に力を合わせて取り組みませんか」と誘い、学校側で取り組むこと、家庭で取り組むことを具体的に決めていくようにする。
「困った子どもは困っている子ども」であり、同様に「困った親は困っている親」なのです。共に、行動や考え方をどのように変えていったらよいか分からないでいるのです。
そこで、教師がちょっとしたひと押しで行動や考え方を変えていくきっかけを作ってあげるということが、とても大事な視点になっているのです。
(増田修治:1958年埼玉県生まれ、埼玉県公立小学校教師(28年間)、白梅学園大学教授。「ユーモア詩」を通じた学級づくりを進めた。2002年にNHKにんげんドキュメント「詩が踊る教室」放映。小学校教師を対象にした研修に力を注ぐ)
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