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学ぶ楽しさと授業力を高めることを模擬授業で教えてもらい私の本当の教師生活が始まった

 最近「思うように子どもの学力が身につかない」「つまらなさそうに座っている子がたくさんいる」「すべての子が参加できる授業ができない」と、不安を感じている教師たちの声を耳にすることが多くなってきました。授業力を身につけるために何をすればいいのかと、日々悩み、ひとりで抱かえ込んでいる姿を目にすることもあります。
 授業は奥が深く、授業力は一朝一夕で身につくものではありません。子どもに学力が身につく授業づくり、子どもが生き生きと参加する授業づくりを求めて、全国各地に出向き、積極的に学ぶ若い教師たちも増えています。
 私が教師になった頃は「教科書に沿って、計画通りに流しておけば、それで授業が成立する」「指導書通りに進めていけば、それで教えたことになる」などと、深く考えることなく、私は授業をしていました。
 それでも、ユーモアや手作り教材なども取り入れながらの授業でしたが、子どもたちがそれほど盛り上がらなくても、理解できない子が大勢いても「授業とは、元来そのようなもの」と私は軽く考えていました。
 ある時、友人に誘われて、東京で著名な先生の講座を受けました。そこで、私は生徒となって、その先生の模擬授業を受けました。どんどん授業に引き込まれていくのが、その場で実感できました。
 先生の発問を真剣に考え、指名されるかもしれないという不安におののきながら、模擬授業はあっという間に終わりました。「授業って、こんなにもわくわくどきどきするものなのだ」「学ぶとは、こんなに楽しいことなのだ」と、心地よい充実感に包まれていたことを覚えています。
 その時、頭の片隅に、私が担任している子どもたちの顔が浮かんだのです。「私の授業を受けている子どもたちは、授業の楽しさ、学ぶ喜びを知らずに学校に来ていたのだ」と思いました。私は本当に申しわけない気持ちでいっぱいになりました。
 考えてみれば、私自身、教師になったものの、まともに授業術について学んだことなどありませんでした。そんな教師の授業が、子どもを喜ばせることなどできるはずもありません。
 私に、学ぶ楽しさとともに、授業の力量を高めなくてはならないと模擬授業を通して教えてくださった著名な先生のようになりたいと、強く思いました。それから、私の本当の教師生活が始まったのだと思っています。
 教師になれば、誰でも授業をせざるを得ません。同じ授業なら、子どもに学ぶ楽しさをあたえる「本物の授業」をめざしたいと思える出会いがあったことに、今も深く感謝しています。
(
中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教師。「子どもが安心して活動できる学級づくり」の研究に取り組む。「中嶋郁雄の『叱り方』&『学校法律』研究会」を設立し活動)

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