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荒れた学級を子どもたちと一緒にクラスづくりをして感動的な卒業式を迎えることができた

 問題がある5年生を担任しました。指導するたびに、子どもたちとの「みぞ」を感じ始めていました。6年生になっても、私語、無視、反抗の連続でした。教師をやめたいと私は思いました。
 私はこの困難を通して、問題の解決を急ぐあまり、指導のあり方と子どもたちの実態との間に大きなずれがあることに気付きました。
 また、教師として当然の指導をしているのだという思いが先行すると、子どもが抱かえている問題を見ようとしないため、解決はますます困難になってしまいます。
 そして、指導すればするほど、拒否・反発の繰り返しで解決の見通しが見えなくなってしまうことがよくわかりました。
 子どもたちは、もだえ苦しみ、現状から抜け出そうと必死になっていたり、自分が自分らしく生き、成長するきっかけを見つけようと悩み苦しんでいたのです。
 私は子どもたちの背後にあるさまざまな要因を受けとめ、共感して、その子と一緒にがんばれる課題を見つめていくことが大切なのだと思いました。
 子どもたちから学ぶことによって、私の子どもの見方、指導のあり方が変わりました。
 一朝一夕には解決できませんが、乗り越え、自分を変えようとする子どもたちを励ますことは可能です。教師としてその子の悩みに寄り添い共感し、自分づくりの一歩を歩んでいく援助者になればいいのだと思いました。
 頼りになるのは、やはり子どもたちでした。私は「荒れた」学級を立て直すのではなく、子どもたちと一緒にクラスづくりをしようと考えました。
 クラスのみんなに「安心できるクラスをつくろう」と呼びかけました。はじめは少数の女子だけでしたが、放課後、短時間でも毎日話し合いを持ちました。教師への注文もでました。友だちの情報も伝わってきました。男子も女子の呼びかけで加わりました。
 私は、この子どもたちとたいへん感動的な卒業式を迎えることができるようになりました。卒業式近くになって、その子どもたちがこっそりと集まり、大きな「ありがとう」の横断幕と私にそっくりな塑像を作ってくれたことはまったく知りませんでした。
(鈴木和雄:1947年茨城県生まれ、元東京都公立小学校教師)

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