担任が保護者を説得したり、謝らねばならないとき、どうすればよいか
例えば、担任が指導方針を保護者に説得しようとするとき、どうすればよいでしょうか。保護者の中に反対があっても理解してもらわなくてはなりません。
説得は、保護者にも教師にもプラスにならなければ無意味です。プラスになるかどうかの判断が大事です。説得するには、タイミングが大切です。早すぎても、遅すぎてもいけません。
周囲から固めていく方法や、各個人を撃破でいく方法など、手法はさまざまですが、教育の場では誠意ある説得こそ効を奏します。
威圧的な言い方は、反発を招くだけです。あくまでも低姿勢で、こちらの考えを詳細に説明しましょう。子どものために、教師が努力している姿勢や考えが理解されるように説得することです。
親は子どもがよくなることなら、必ず協力してくれます。
説得するためには、相手を呼びつけたり、大勢一同では説得はむずかしくなります。教師の態度も横柄ではいけません。説得は、こちらから出向いて一対一でやりましょう。
担任だけでは説得できないような問題も起こります。そういうときは、管理職や地元の人、PTA会長等と一緒に説得に出向く場合があります。そんなときは管理職に話をしてもらって、控えめにしている方がうまくいきます。
教師のミスなどで保護者に謝るときどうすればよいでしょう。
教師が保護者に謝るとき、教師が低姿勢であることはもちろん、誠意が感じられる態度が一番大切です。保護者も人生経験を積んできています。教師の下心なとどは、すぐに見抜いてしまいます。心から謝る姿勢でなければなりません。
教師の指導上のミスも連絡不十分も謝罪の対象になります。子どもが自分でケガをしても、親から預かっている以上、謝らねばなりません。辛いけれど、それが教師の立場です。
小さいケガやけんかぐらいは、電話で謝ればいいでしょう。コツは、おわびだけ言ってプツンと電話を切るのではなく、最近の子どもの様子をほめておくことです。ただし、電話では誤解が深まることがあります。そのような場合は親と会って謝ることが大切です。
体育の時間に骨折する子どもは多いものです。しかし軽視してはいけません。骨折事故などのときは、必ず家庭訪問して謝ります。子どもの不注意であっても指導上のミスを問われます。
いじめなどの場合は、教師だけが謝ればすむことではありません。関係した子どもやその親も一緒に謝りに行きます。その場合、事前に謝る態度などをよく教えて謝らせなければ、逆効果になることがあります。
親が信頼する教師は、子どものよさを見つけてくれ、親の心をわかろうとする、わが子が教師を好いている、子どもに公平に接する、親が連絡したことに対して誠実に対処してくれる、といったことが考えられます。親と共感する教師になり、子どもの成長を親と共に喜びましょう。
学校での出来事を親に責任転嫁しないようにします。落ち着きのない子、忘れものの多い子、乱暴な子には、教師の指導を工夫するようにしましょう。
(中嶋公喜:小学校校長、東京都学級教育研究会会長を経て顧問)
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