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教師たちから見た学級崩壊になる教師の問題点とは

 少し古いが、報道(東京都公立小中学校教師1819人の調査結果「朝日新聞」平成11620日))によれば、学級運営や授業が成り立たない教師の問題点は小中学校に共通して、「子どもの気持ちが分かっていない」「指導力がない」「叱れない」という結果がいずれも60%から70%に達した。
 この数字は学校の内部にいる教師のなまの声であると受けとめられる。このなまの声を生かし学級崩壊させないためにはどうすればよいか。
(1)
子どもの気持ちを分かるようにする
 学級崩壊はある日突然起きるように見えるが、ふだんから担任が子どもの心をつかんでいれば、その芽がまだ小さい時に摘むことができる。教師の要求が子どもたちの思いを反映している時、子どもたちは教師の要求を「ウルサイ」ことではなく、「耳を傾けるべき大切なメッセージ」と感じ、「教師を自分たちのことをわかってくれる人」と認めるようになる。
 子どもの心を知るために、担任はアンテナを高くすることが必要である。そのために、例えば、休み時間に子どもと一緒に遊ぶ。遊ぶ体力がなければ観察する。掃除を一緒にする。音楽・図工・家庭科等専科の時間にも様子を見に行き、一緒に作業する。絶えず子どもと一緒にいて、良いところを中心に見つけて記録する。
 子どもの心を知るためのアンテナとして、さらに効果的な方法に、作文を書かせることがある。毎日五分くらい、朝の会とか帰りの会に時間をとる。自由に書かせると、子どもの交友関係や、家のことなどで何が楽しいのか、何がいやなのかがよくわかる。担任に話をしに来ない子どもの心の動きもよくわかる。
 このようにしていると、少しの行動の乱れも手にとるようにわかる。わかったら、すぐ手を打つ。「あなたは○○もできる。△△というようないいことをしてくれている。それなのに、このごろは少し変わってきている。□□した方がいいと思うけど、あなたの気持ちはどうなの?」と話し、必要な場合は厳しく指導する。
 早いうちに手を打てば、だいたいは学級崩壊まではいかない。
(2)
指導力を磨く
 上から下に命令する口調でいつも子どもに接していると、はじめは従順にしているように見えても、やがて反乱が起きる。教師とて、いつも清廉潔白とは行かない。何かしら失敗をする。子どもが「先生は失敗もするけど、いい先生だ」と思っていれば、教師が少しくらい失敗したって何でもないのだけれど、いつも怒っていて、上から下に命令するような叱り方をしていたら、子どもは「先生だって失敗するくせに」と心の中に不満をつのらせるから、実際に失敗したら、たちどころにそこを突いてくる。子どもの多くが心の中でそう思っていたら、誰も教師に味方する者はいない。そこから学級崩壊が始まることもある。
 授業のやり方で言えば、上から下に教えてやるぞ、という教え方ばかりでは、魅力ある授業とはいかない。いろいろな方法を工夫することである。十分に指導案を練り、他の人の授業を参観して、採り入れられるところは工夫して採り入れる。子どもは教師の姿勢をしっかりと見ているから、教師自身が勉強しているのがわかれば、教師への信頼が芽生える。
 このごろの子どもは、ただ聞いているよりもグループ学習や体験学習を楽しんでやる。少し競争を取り入れると意欲的になる。
(3)
叱るべき時に、きちんと叱る
 叱り方で大事なのは、行為だけ叱る。駄目な子などと子どもの人格を傷つけるようなことは言わないことである。また、なぜいけないのか理由を説明し、不服があれば耳を傾ける。それから、例えば「校長先生がだめと言っている」などと、他の権威を借りないことである。
 それと、他の子どもと比べて叱らないようにする。そうでないと、子どもはプライドを傷つけられ、自分にマイナスのイメージしか持てない子どもに育つ。
 また、一貫性を持つことが大切である。一人の先生がいつも叱ることが同じでないと、子どもは何を信じていいのかわからない。また、学校中の先生が同じことを同じように叱らなければ一貫性がなく、子どもに不平・不満の気持ちを抱かせる。こういうことが学級崩壊へつながることにもなる。
 危険なことや人間としてしてはならないこと、例えば人のものを盗むとか、弱い者をいじめるなどをした時は、厳しく叱らなければならない。叱る時は、ぴしりと制止の声を発し、その声で子どもがハッとするように、しゃんとして、しかものびやかにするとよい。
(飛田貞子:元東京都の公立小学校教師を経て小学校校長)

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