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保護者から成績についてクレームがあった場合どうすればよいか

 中学三年生のAくんの父親から、一学期の終業式の日の夜、担任に「通知表を見たら社会科が4になっている。期末テストは満点なのに、どうして5ではないんだ。つけ間違いではないのか」と電話がありました。
 翌日、社会科の教師に聞くと、課題のレポートは未提出で、授業のプリントも半分も提出していないのでした。授業中は発言することもなく、グループ学習は一緒にやろうとせず、ときには塾の宿題をやっていることもあったそうです。
 父親が学校にやってきて「つけ間違いだろう。通知表を直してもらおう」と通知表を突き出しました。私は父親に「成績については学年はじめの保護者会でも説明しましたが、テストは成績の資料の一部で、他の様々な資料を総合して成績を出します。ですからテストが満点でも5とは限りません」と話しました。
 それでも納得できないと父親は言います。私は「テストの点数が高いことは大切ですが、すべてではありません。授業への参加やみんなと協力することも、人として大切な要素です。それらを加味して成績をつけているのです」と説明したのですが、納得せず、不承不承で帰られました。
 小学校六年生のBくんは、中学受験をします。四年生から塾通いをしています。自己中心的な言動が目立ちます。授業中は、まわりの子どもと私語をしたり、好きな読書をしていたりすることがよくあります。
 二学期の終業式に通知表を母親が手にして「3が付いては困るんです。もし受験を失敗するようなことがあったら困るんです。何とかなりませんか」と言われた。
 母親には、一緒に「そうですね。困りましたね」と困ってみたらどうでしょうか。そして「今から成績は変えられませんので、これからできることを一緒に考えましょう」と、母親と同じ側に立って話すとよいと思います。
 中学一年のときCさんの親から、夏休みに入ってすぐに学校へ「数学の成績について、教科の先生から説明してほしい」という電話がありました。数学の教師が親に電話を入れたのが二日後でした。電話で説明を受けた母親は、返事が遅いのと答え方が不満で怒りだしてしまいました。そこで、数学の教師が母親と直接会って、資料を示しながら説明したところ、不満そうではあったものの納得されました。
 三年生になったCさんの母親から「一学期の社会と理科の成績がよくなかったのは先生の教え方が悪いからだ。子どもも授業がよくわからないと言っているので、どんな授業をしているか、見学させてほしい」と担任に要望があった。
 担任は管理職と相談し、教務主任の立ち会いのもとで、授業参観をしてもらいました。二学期の進路を決定する懇談会の前には、親から「この学校だけでは、この子の進路決定はできないから、教育委員会も同席してほしい」との要望がありました。
 懇談会には、校長、学年主任、担任、教育委員会の指導主事が参加して親と話し合い進路を決定することができました。
 親が不満を持ち始めたのは、一年生のときの要望への対応の仕方が原因です。すぐに面談して説明すべきでした。この不信感が進路をきめなくてはならない三年生になって、このような事態を引き起こしたのだと思います。
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諏訪耕一:1937年愛知県生まれ、元愛知県公立中学校教師。長野県に不登校の子どもの回復施設「浪合こころの塾」、「浪合こころの相談室」を開設した)

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