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いじめをやめさせる、現実的な対処法とは何か

 教師の立場から見ていると、いじめられる子は、いじめられやすい要素をもっています。最もいじめられやすいのが、ボーとしている子です。みんなで話しているのに輪に入らない、何をするにもみんなより遅い子はいじめの対象になります。
 さほど力がないのに生意気でエラそうにしている子も、まちがいなくいじめの対象になります。成績を自慢しない、エラそうにしない。これは鉄則です。いじめられている子を助けたら、自分がいじめのターゲットになるのは、多人数の和を乱したしたという意味で反感を買うのです。
 グループの中でカチンとくるようなことをすれば、仲間はずれにされることもあります。担任のお気に入りが明白な場合もいじめが生じます。
 組織の中では多人数の意見、暗黙の了解が最優先されてしまいます。そこをうまく立ちまわれるかどうかで生き残れるかどうかがきまるのです。対策としては「あまり目立つな」というほかないでしょう。
 いじめられる子どもに共通する特徴があります。おとなしく、まじめで、自分の世界に閉じこもってしまい、自己表現ができず、親思いで、先のことまで予想してしまいます。親も教師も、何でも聞きだせるような関係をもつことが肝要です。
 教室内でいじめが起きていると教師なら何となく気づきます。しかし、いじめをやめるように言っても「じゃれているだけ」「おれたち、仲いいんだよ」と言われるとそれ以上は何も言えないのです。そして、いじめは教師にわからないようにさらに巧妙になっていきます。
 いじめっ子の心をしっかりとつかみ、親との連携もうまくこなす教師も、わずかですがいます。そのような教師のクラスでは、いじめは起きにくいのです。いじめが担任に発覚したらまずい、と子どもたちが感じるからです。
 いじめの典型的な兆候は、言葉が少なくなり態度が投げやりになる。体にアザがてきたり、びっこを引いたり、傷があったりする。衣服やカバンが汚れていたり、傷つけられたりする。朝、学校へ行きたがらない。親の財布からお金がよくなくなり、何度も小遣いをせがむようになる。メールや電話がひんぱんにかかってくる。交友関係が変化する。
 子どもに自分でいじめを解決させる方法は、「やめろ」と大声で叫ぶ。最初が肝心でノーと言えないと「こいつは反撃しない」と思い、いじめのターゲットに確定するのです。だから、最初に何かされたときが肝心なのです。大声で叫ぶ練習をするとよい。
 いじめを受けたら、教室から全力で逃げて職員室にかけこみ「いま、いじめを受けた」と大声で叫び、大騒ぎするのです。担任だけだと解決にいたらないことが多いのです。教師にチクッたことになるので、もっとひどいいじめになったら、また職員室に逃げ込んでください。何回もくり返せば、いじめっ子もあきらめます。
 それでもいじめが続くようでしたら、大ゲンカしましょう。手をださず相手の言いなりになっているからいじめが継続するのです。いじめが続いて自殺を考えるくらいなら、思い切り相手を殴ってもいいと思います。立派な正当防衛です。有効な手段として空手や柔道の技を少し覚えておくといいでしょう。
 明らかにわが子がいじめられていると親が感じたら、まずは子どもから話を聞きだすことです。どうしても話さないようでしたら児童相談所に相談しましょう。親以外の聞き上手な人のほうが、子どもはよく話します。
 いじめられていることを子どもが告白したら、いじめの経過を、いつ、どこで、だれに、何をされたか、メモします。細かいほど、多いほど有効です。
 子どもだけでは解決しないときは、親が学校を動かします。いじめの記録を書いた用紙をもって、学校に怒鳴りこみます。学校が動かざるをえない状況をつくるのです。次のことを学校に約束させてください。そして、ひそかに録音してください。
 事実関係をいつまでに調べるか。その際、子どもが言っていることをすべてはっきりさせる。いじめた子どもの名前を言う。報復されないよう、休み時間、放課後、下校時に教師の巡回を強化する。子どもを守れなかった場合は教育委員会に訴える。担任に毎日電話してもらい、その日いじめがなかったか報告する。
 いじめた子の親に直接抗議するのは効果的ではない。感情的になれば相手も同様で、素直に聞く耳をもてず、自分の子どもをかばってしまう親が急増しています。第三者の学校の教師をはさんで、いじめられた子どもの痛みをわかってもらうことが肝心です。そのようにして、はじめていじめた側の親が協力をしてくれることもあるのです。
 口頭注意をしても、いじめっ子がいじめをやめない場合、法的手段に訴えるしかないのです。いまどきのいじめは暴力、恐喝、誹謗中傷など犯罪です。いじめの調査をする探偵事務所まで出てきました。
 いじめの詳細を子どもに聞いて、毎日記録に残す。子どもにICレコーダーをもたせ、いじめられている現場を録音させる。レコーダーを持参し、弁護士、警察、市会議員等に訴えに行きましょう。ただし、警察は暴力、恐喝クラスにならないと動いてくれません。弁護士が最もよく動いてくれ、告訴するかどうかを一緒に考えてくれます。
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佐山 透:1960年東京都生まれ、公立高校教師。学生時代にいじめっ子、いじめられっ子の双方を経験し、教師になってからも数々のいじめに直面した)

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