教え合い学び合う子どもたちにするには、どうすればよいか
学校生活では、日常的にさまざまなグループ活動が展開されている。掃除当番や係活動、座席ごとにまとまった生活班など、子どもたちはさまざまなグループ活動を経験している。
4~6人の小グループのいいところは、学級という大きな集団ではなかなか自己主張しにくい子どもが、小グループの中では安心して自分の考えを言えるということにある。少人数だからこそ、友だちの表情やふとした発言に共感したり、何かに気づく機会も増えてくるのである。
このようなグループ活動のメリットを授業などにもぜひ生かしていきたい。授業の中で一人ひとりの子どもが自分の考えを出し合って学ぶ場こそ、一人ひとりの子どもにスポットがあたる機会が増える。
例えば、国語の読解などでも自分の考えをノートに記入した後で「班の友だちとノートに書いたことを発表しあってみましょう」と周りの友だちと自分の意見を交換する時間を設ける。
ノートに書いた時点では、子どもたちはそれが合っているか否かに自信がもてず、一斉授業の場でなかなかそれを表現しにくいからである。
答えがわからず困っている子も、友だちの意見を参考に、あらためて自分の意見がもてることもあるし、間違った答えなども小グループ内で話し合ううちに修正できる。
子どもたちは友だちの意見を事前に聞く機会を得たことで自分の意見に自信をもち、学級全体の話し合いにも積極的にかかわってくるようになる。
グループ分けの際に、ぼぼ均等な学力になるようなメンバー構成を考えておくと、話し合いの内容がより深められ、子ども同士での教え合いがより効果的になされていく。
小グループでの話し合い活動が活発になされるために、友だちの意見は、まず最後まで黙って聞くこと、そして決して否定しないことを徹底させておく。小さな子どもの場合は、グループ学習の手順をできるだけ細かく指示しておく。
例えば、初めに話す順番を決める。次に意見を発表しあう。友だちの意見を聞く場合には、自分の意見と同じところや違うところ、わかりにくいところなどを考えて聞くこと。そして、その後で質問や相談すること等を指示しておく。
こうしたことを経験していくなかで、子ども同士が互いに教え合い、学び合う力が育っていく。
(伊藤克子:東京都公立小学校教師)
| 固定リンク
「学び合う学び」カテゴリの記事
- 教室は、教え合う学習を通して、子どもたちは学習をより深く理解し、お互いを輝かせていくところ(2020.11.29)
- 子どもの「分からなさ」から出発して、子どもの学びをつくる「学び合う学習」とは(2020.06.09)
- 一斉授業から「学び合う学び」の授業に変えるには、どのような段階があるのでしょうか(2020.04.13)
- 子どもたちの目が輝き、子どもたちがつながり合って学ぶ「学び合う学び」を創造するにはどうすればよいか(2018.10.02)
- 一人も見捨てられない「学び合いの授業」をするには、どうすればよいか(2018.06.29)
コメント