« 保護者が教師に協力的になってくれるにはどうすればよいか | トップページ | 基礎学力をつけると子どもが落ち着き問題行動も減る、基礎学力づくりを実践した学校の方法とは »

学級の荒れを防ぎ、子どもたちが教師の話を聞くようになるにはどうすればよいか

 学級が荒れるのは「日常のていねいさが、はがれおちている」ことが原因である。例えば「教室のごみを拾わない」「日直の仕事をしない」「あいさつをしない」などの、「いい加減さ」の頻発が学級の荒れである。
 「ていねいさ」は人への優しさであり、それが「生活のルール」の基本である。教室に落ちていた物を拾い「誰の?」と言って探すという「生活のルール」の確立は「学級に良好な人間関係が存在している」という証明である。
 活発な話し合いが展開する授業は、教師がめざす授業像のひとつである。活発な話し合いを成立させる素地が、子どもたちの発言であり、学習への集中である。
 子どもたちの発言の前には「発問を聞く」という学習活動が必要である。「聞く」は基本的に「先生の話を聞く」という「生活のルール」が前提となる。
 年度初めに、私は子どもたちに、話を聞くことの価値を次のように伝えている。
「先生の話を聞かずに勉強していない子がいたら『いっしょに勉強しようよ』と言ってあげられるクラスにしていきたいなあ」
「自分が聞いていないとき、注意してくれる友だちがいることを『私のことを心配してくれる友だちがいる』と、幸せに思おう」と。
 このように話をして、話を聞くことの「生活のルール」の意図・価値を子どもたちが納得し、共有することが大事である。「意図の納得、価値の共有」があれば、子どもたちが自律して「生活のルール」を守るようになる。
子どもたちの先生の話の聞き方は、
①手をひざに置く。
②先生を見る。
③先生は①②を確認する。
「こんなこと、当たり前」という人もいるだろうが、かなりの教師ができていないと思っていい。「そんなことはわかっている。しかし、徹底していない」のが現状である。徹底していない現状が二つある。
(1)
①と②を要求しないで話し出す。
(2)
要求はするが確認しないで話し出す。
 教師が話すなら①②を徹底することである。年度初めにきちんと「生活ルール」化しておかないと「先生が話すが、子どもは聞いていない」状態が続く。
「先生の話を聞く」指導のポイントは
(1)
教師は黒板の前に立つ。
(2)
不動の姿勢で、「作業をやめなさい。先生の方を見なさい」とゆっくり大きく指示する。
 不動の姿勢は「先生が強い意志で聞くことを子どもたちに要求している」と、子どもたちに感じさせるためである。
(3)
初期の時期は、次の具体的な指示をする。
「手をひざに置き、先生を見なさい」
「おへそを先生の方に向けなさい」など
(4)  (3)
の指示が徹底しているか確認する。毅然とした姿勢で、ゆっくり教室全体を見回す。
 毅然とした姿勢とは、怖い顔をするのではなく、教師が言ったことを徹底することを子どもたちに見せていくことである。
 ゆっくり教室全体を見回すのは、子どもたちに「指示が徹底しているか、先生が確認している」ことを意識させるためである。
(5)
初期の時期は、「聞く姿勢がとれている」ことをほめる。
もし「先生の話を聞いていない子」がいたらどうするか。
「静かに」「先生を見て」とか「ちゃんと聞きなさい」と注意することを、私は避けたい。先生の話を真剣に集中して聞いている子どもたちがいるのに、話の途中で「静かに」「聞きなさい」と注意すると、この集中を切らしてしまうのが私はいやなのである。
 そこで、私は、事前に、「先生の話を『聞いていない子』がいたら、その子を先生が指さすから、『聞いていない子』の肩や机をそっと触り、注意してほしい」と、子どもたちに依頼しておく。
そして、次のように指導している。
(1)
教師が聞いていない子を指さす。
 教師が話を続けながら「聞いていない子」を指さす。
(2)
隣の子が「聞いていない子」の肩や机をそっと触り、注意する。
 声を出して注意しないのは、教師の話の邪魔をしないためと、聞いている子の集中を中断させないためである。
(3)
「聞いていない子」が先生の方を見たら、指さしをやめる。
 このようにして、教師の話も、子どもたちの集中も寸断せずに「聞いていない子」を「聞いている子」にさせるのである。
 指導の最初は、指さしすると、学級のみんながそちらを見てしまう。しかし、二週間もすると、子どもたちも「何もなかったように」教師の話を聞き続けるようになる。
(
松永昌幸:横浜市立小学校教師・校長、横浜市教育委員会教育部長、横浜市教育センター所長、鎌倉女子大学教授を経て関東学院大学教育学部教育実践センター・横浜教師塾塾長)

|

« 保護者が教師に協力的になってくれるにはどうすればよいか | トップページ | 基礎学力をつけると子どもが落ち着き問題行動も減る、基礎学力づくりを実践した学校の方法とは »

学級の荒れ」カテゴリの記事

授業中の生活指導」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173207/64161223

この記事へのトラックバック一覧です: 学級の荒れを防ぎ、子どもたちが教師の話を聞くようになるにはどうすればよいか:

« 保護者が教師に協力的になってくれるにはどうすればよいか | トップページ | 基礎学力をつけると子どもが落ち着き問題行動も減る、基礎学力づくりを実践した学校の方法とは »