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こじれさせないような保護者との関係づくりとは

 苦情やクレームを受けているうちは、関係がこじれているわけではありません。最も大事なことは、関係がこじれる前に、こじれさせないような保護者との関係づくりに努めることです。
 苦情やクレームを対応するときは、おおらかな気持ちで謙虚に受けとめる。話を途中でさえぎらず、最後まで聞く。教師に落ち度があれば潔く謝罪するようにするとよい。
 保護者のタイプによってどのように対応すればよいでしょうか。
(1)
不安感と被害者意識が強い保護者
 子どもの、ちょっとしたことでも不安になり、被害を受けていると考えてしまう保護者がいます。不安な気持ちに共感し、その気持ちを受けとめることが必要です。そして、教師が見守っていくことを自信を持って伝えます。
 その上で、教室では子どもとのコミュニケーションを多くしながら、子どもが思い込みで考えすぎないように少しずつ励ましていきます。
(2)
高圧的に接してくる保護者
 高圧的になる人は理由があります。例えば、自分弱さや辛さを守るといった、保護者が守ろうとしているのは何かに気づくことです。
 気づけば、まず、保護者が守ろうとすることに共感し、それとなくほめるようにします。そして、落ち着いたところで、話し合いをすすめていくようにします。
(3)
感情的に不満をならべる保護者
 感情的に不満を述べる人は、自分の不利益しか見えなくなっていることが多いようです。自分は正しいと思いがちです。感情が高ぶっているときに反論したり、間違いを指摘すると、火に油を注ぐことになりがちです。
 まずは、じっくりと話を聞きます。自分の言いたいことを全部言ってしまえば、あとは時間がたつにつれて落ち着いてくることが多い。
(4)
普通の保護者
 普通の保護者は、不安や不満をもっていても表に出さない人もいるのです。普通の保護者に教師の目が向かないでいると、ある日突然訴えられることがあります。
 このようにならないために、教師は普通の保護者にも目を向けるようにしなければなりません。機会をとらえて、連絡帳や電話でコミュニケーションをとります。授業参観などでお会いしたときには、こちらから声をかけてみます。
 そのようなことを積み上げていくことで、潜在する不安や不満を見つけることもでき、学級をより安定したものにすることができます。
(山中伸之:1958年生まれ。栃木県公立小・中学校教師。実感道徳研究会会長 日本群読教育の会常任委員)

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