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クレームをつけてくる親にどう対応すればよいか、対立した際に解決するポイントは?

 どうしても、学校に不満やクレームをつけてくる保護者に対しては「なんだ、あの親は」という目で見てしまい、自らをふり返る余裕がなくなる。
 冷静に原因について振りかえってみたい。クレームの内容に目を向けるのは当然だが、保護者のなかには、わが子のことでやり場のない辛さのはけ口として学校にクレームをつけてくる場合がある。その背景について考えることも大切である。
 クレームには、誠実に対応することが原則だ。そのためには、まず「しっかりと保護者の考えや意見を聴く」姿勢が大切である。そのときのポイントは、保護者の話を共感的に聴けるかどうかである。保護者の切なる思いを感じ取ることができるか、ということであろう。
 保護者がなぜそういうことを言うのかがわからないうちは、教師の考えや意見を言わないほうがいい。そうしなければ、保護者と教師の考えに「ずれ」ができたまま話し合いが進行することになり、時間をかけても話し合いの意味がなくなってしまう。
 保護者が安心する教師は、やはり「プロ」の教師ということになる。どの保護者に対しても専門性をもって的確な指導をする教師には、保護者がむやみにクレームをつけてくることはない。
プロ意識を持った教師とは、
(1)
専門的な知識や指導の技術を持った教師。
(2)
安心して接することのできる人格をもった、豊かな感性を培った教師。
(3)
子どもの発達の可能性をひらく教育を推進する教師。
 次に大切なことは、子どもや学校の問題について、教師が保護者と共に解決していこうとする姿勢を見せることである。クレームをつける保護者も、主体的に問題の解決に参加できる条件を整えれば、無責任にクレームを言ってくることができなくなる。
 保護者の立場になれば、学校から一方的に否定されているという感覚ではなくなり、肯定されたり評価されることになり、「自分の考えや行動は認められているのだ」という安心感につながる。意欲的に協力したり、後押しをしてくるはずだ。
 私が保護者との対応で心がけていることがある。クレームは他の保護者も同じような考えや意見を持っている人がたくさんいるだろうと考え、少しばかり感謝の念をもって迎える。
 実際に話し合いに入ったとき、保護者の考え方とは違っていてもすぐには私の考えは言わない。必ず「○○だと考えておられるのですね」と言うことにしている。これは、保護者の考えを受けとめたこと、保護者が自分で言ったことの真意を確認させる意図がある。
 このような対応で、たいていの保護者は自分の考えは受け入れられているという安心感をもつ。
 次にクレームの解決である。「私もそのことについては大切なことだと思っているので、一緒に解決していけるようにご協力ください」と返す。
 また、自分の考えを言うときも「私は△△だと考えて指導してきたのですが、これについてはどうお考えになりますか?」と、必ず保護者に穏やかに問い返すことにしている。
 最も注意しなければならないのは、「学校の方針」によって生まれる保護者との対立である。本来、学校は「学校のために」あるのではなく「子どものために」ある。子どもの実態があり、その子どもたちをどう伸ばしていくかに力を注がなければならない。
 問題があるときには、素直にその問題に目を向け解決していく、謙虚な姿勢が必要だと私は思っている。
 しかし、学校では、子どもの中には何人かは不満を持っていたり、教師についていけない子どもがいるものだ。そんな子どもの親が学校に不満を持ちクレームをつけてくる。
 学校と保護者が対立した際、解決に向かうための考え方のポイントは
(1)
対立してもよい結果は生まれない
 保護者と対立しても問題がプラスの方向にいくことはほとんどない。教師は保護者の考えなどを包み込む大きさ、専門職としての意識や気持ちの大きさで対応することが大切だろう。
(2)
「子どもの育成」に焦点を当てれば、共通点が見いだせる
 一般論を言っていると焦点の定まらない対立がおきることがある。目の前のこの子が今どんな問題を持ち、どう解決していけばより成長し向上するか、ということに焦点を当て冷静で思いやりのある態度で接していけば、協力関係が築けるものと思う。
(3)
対立するのは「目的」ではなく「方法」が多い
 方法は100人いれば100通りのものがある。最終的には、責任をもってやらなければことを「学校」、「家庭」、「両方が協力して」やらなければならないことをきちんと話し合うことが大切である。
(4)
言いたいことだけを言い、耳を傾けない保護者には、根気強く、ねばり強く言い分を聴き、学校の考え方を伝えていくしかない。その際も、子どものよい点をしっかと伝えることで協力する姿勢を引き出したい。
(
深山 寛:元千葉県公立中学校校長)

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