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学級崩壊を学級集団の視点から考えて防ぐには、どうすればよいか

 学級崩壊は、学級という子どもたちの集まりが集団として成立できていない状態であると考えられる。
 学級の子どもたちが、学級集団となるためには、次の二つの条件が学級の中に両立していることが必要である。教師が子どもたちを管理するだけのルールだと、学級の中にふれあいのある人間関係が成立しない。ふれあいのある人間関係だけだと、なれあいの雰囲気の強い集団となるからである。
1 学級の子どもたちの中に共有するルールがある
 (1)
子どもたちのコミュニケーションを成立させるためのルール(話す、聞くなど)がある。
 (2)
学習活動を進めていくためのルール(チャイムに従って行動するなど)がある。
 (3)
学級活動を進めていくためのルール(係活動に従事するなど)がある。
2 学級の中にふれあいのある人間関係がある
 学級の中に人間関係があれば、自分の居場所を見出し、良好な関係から集団として組織され、まとまっていくのである。
学級崩壊に陥りやすい担任のタイプとは
1 友だち感覚の担任
 だんだんと学級内に「なれあいが生まれ」て、学級の子どもたちの中に共有するルールが成立しなくなる。そういう中で学級は子どもやグループ同士のトラブルが頻発し、うまく解決できない担任への信頼感も低下し、学級の中にふれあいのある人間関係が崩れてしまう。
2 学級の子どもたちを管理的にまとめようとする担任
 子どもたちの欲求不満が高まり、子ども同士の対人関係がギスギスし、学級の中にふれあいのある人間関係が崩れてしまう。同時に、子どもたちの担任に対する反発は、管理の手段となっている学級のルールを無視する形となって現われる。
3 放任的な学級経営、子どもたちとの関わりや指導に一貫性がないタイプの担任
 学級の子どもたちの中に共有するルールもなく、学級の中にふれあいのある人間関係もない。学級の子どもたちの集まりは、烏合の衆である。この場合は、学級崩壊が早い段階で発生することが多い。
 学級内の子どもたちの欲求不満が高まは、他者攻撃に向かうことが多く、子ども同士のトラブルが多くなり、学習意欲や学級活動に参加する意欲も著しく低下するのである。マイナスの影響を与えるのである。
 学級集団の崩れを克服するにはどうすればよいのでしょうか。
 学級崩壊は集団が徐々に崩れていって発生するものである。学級崩壊の深刻な状況を考えると、学級崩壊にならないようにするには「崩れの兆候を察知して、速やかな対応策を講じる」これにつきるのである。
 
「学級の子どもたちの中に共有するルール」「学級の中にふれあいのある人間関係」が崩れ始めたとき、両方が崩れてしまう前に対策を講じるのである。
 学級集団の崩れに対して、これさえやればうまくいくという、単純な方法はない。だから学級崩壊がこれほど騒がれているのである。
 学級の崩れを克服するにはどのような方法があるのでしょうか。次のような流れが骨子となる。ポイントはこの積み重ねを系統的に実施できるかどうかである。
1 学級の子どもたちや学級集団の状態を把握する
 私は子ども一人ひとりの学級生活の満足感を把握するようにしている。満足感が高い場合は、学習意欲や学級活動に参加する意欲が高まると共に、学級への帰属意識が強まるのである。
 私が開発したQ-U調査(学校生活意欲と学級満足度を調査して学級診断をする。実施時間約15)で、子どもたちの学級生活の満足感を測り、自分の学級の状態を推測すると対応の予測がつきやすい。学級崩壊に近づいているのかを把握できるのである。
2 学級集団の状態に応じて、子どもたちの学級生活の満足度が高まる対応をする
(1)
自分の学級で子どもたちが満足感をもてる要素は何なのかを把握し、満足感をもてるような取り組みを行う。
(2)
いろいろな子どもの組み合わせによる、小グループ活動を取り入れる。
 特定のグループで固まるのを防ぎ、子どもたちの交流を小グループで活性化させる。
(3)
いろいろな活動の最後に、友だちのよい点を評価しあう場面を必ず設定する。よかった点を言葉にして伝え合い、認め合う雰囲気を形成する。簡単なカードに書き込ませて交換させるのもよいだろう。
(4)
学級のルールを確立する
 基本的で具体的なルールを定め、ルールにそって生活するようにする。ルールに例外はつくらない。評価を帰りの会などで確認する。短時間でルールにそって学級全体でやり遂げる経験を積み重ねるのである。
 授業も一つの課題を短くして、短時間で集中させ、その後ゲーム的な要素を入れた課題を実施するなどメリハリをつける。
 ゲーム性のある活動を定期的に取り入れ、楽しみながらルールを守る習慣を定着させる。
(5)
学級の中にふれあいのある人間関係を確立する
 授業の展開パターンを増やし、グループでの調べ学習や学習ゲーム(漢字ビンゴなど)などを取り入れて、授業に参加する楽しみを喚起する。
 学級活動の時間などに、全員で楽しむことができるようなゲーム的な活動(フルーツバスケット、構成的グループエンカウンターなど)を定期的に実施する。
 機会をとらえて教師が意識的に自己開示したり、満足感の低い子どもたちとおしゃべりする時間を設ける(給食の時間や休み時間など)
(
河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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