授業中に子どもが教師に反抗したとき、学級の雰囲気を悪化させない指導のポイントとは
授業中にノートも出さず、机に伏している子どもがいました。教師は「ノートを出しなさい」「どうしてやらないの」と注意し始めました。教師としては当然の声かけです。子どもが従わないので、教師の声は怒気を帯びていきました。
「うるさいな」「やりたくない」と、その子は反抗的な態度を見せ始めたのです。子どもには負けられないという教師の思いから声で抑え込もうと、声がより強くなっていきます。
その子は教師をにらみ付ける目つきは、より鋭くなってきい、授業の雰囲気は一気に崩れていきました。
このように学級を崩壊させないためには、どのようにすればよいでしょうか。
教師が感情的になっているときには指導を避けるべきです。子どもとの関係は悪化し、教師としての自信も奪われていきます。子どもが感情的になっているときにも教師は指導をさけるようにします。一度クールダウンして仕切り直しをしましょう。
感情をコントロールすることは、教師にとって必要な力です。しかし、その力をつけていくことは難しいことです。私は感情的になりそうなときはその場面から遠ざかるようにしました。そんなときこそ冷静に、ゆっくり話すようにしました。
授業中は個人よりも集団への指導を優先することを原則とします。大切にしたいのは、やろうとしない子どもよりも、真面目に学習に取り組んでいる子どもたちです。そして、授業中は、子どもと「力くらべ」は避けるようにします。
人々が集団を構成した場合、自然発生的に2対6対2の内訳(「優れた人2割」対「普通の人6割」対「パッとしない人2割」)になるという法則があります。
学級集団にあてはめると「自分から進んで学習に取り組もうとする2割の子どもたち」対「指示されたことはやろうとする中間層の6割の子どもたち」対「やる気がなく、ときには授業を妨害する2割の子どもたち」に分かれます。
授業中は学習に取り組んでいる8割の子どもたちをしっかり見てあげるようにしましょう。8割の子どもたちが教師を信頼し、指導を受け入れてくれれば学級は崩れません。残り2割の子どもたちがどんなに自分勝手な行動をしても2割の力では学級は崩れることはありません。
だが、中間層の6割の子どもたちが、荒れている子どもたちの行動を認めたり、同調してしまうと、学級は一気に崩壊へと進んでいきます。この6割の子どもたちの信頼を得るためにも授業中に頑張ったことをしっかりと認めてあげることが大切です。
教師の指導を拒否する子どもには、授業中は「できたら見るからね」と笑顔で話しかけ刺激しないようにします。
そして、授業後に急がずゆっくりと対話しながら、その拒否の意味を探っていく必要があります。教師と子どもがつながるための第一歩は、おしゃべりができる関係をつくりだすことです。日常的な子どもたちへの声かけは「大切にしているよ」というメッセージです。
子どものことについて教師が知らないことはたくさんあります。教師が子どもの世界に興味、関心を持つことは、子どもとつながるきっかけになります。子どもの話をじっくり聴くことは、指導に大いに役立ちます。
子どものことをわかろうとする教師を子どもは信頼してくれます。完璧主義に陥らずに、ゆっくり深呼吸しながら、スモールステップで進んでいきましょう。
(斎藤 修:1953年福島県生まれ、元千葉県公立小学校教師、全国生活指導研究協議会常任委員)
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