学校で事故発生したとき、保護者に第一報をどのように伝えればよいか
学校で発生する事故には、けが・病気、問題行動などがあります。保護者の心情を考えると、早く伝えることが基本になります。子どもの健康・生命にかかわることは、一刻も早く伝えることが鉄則です。
保護者に伝える第一報は、事実の概要を短く伝えます。多くはいりません。とりわけ、子どものけが・病気など突如の事故発生については、現在の状況で言える確かなことを伝えるようにします。憶測や推測で言わないようにしましょう。
重要なことは、現在の処置と今後の方針について要点を絞って伝えることが何よりも大切です。
けがや病気の場合、現在の学校の応急処置を説明し、保護者の側に何か要望があれば、それを伺うようにします。学校から病院に子どもを直接搬送する場合、行きつけの病院など、保護者の要望が強い場合もあるので確かめておくとよいでしょう。
次いで、これからの学校の方針・対応を説明し、保護者の理解と納得、同意が得られるようにします。
問題行動の発生の場合、現在の学校の指導・処置をていねいに説明し、理解と協力を得ます。しかし、多くの場合、第一報を入れるような問題行動が発生した場合には、保護者にも学校に来てもらっての説明・対応となりますので、第一報は処置や方針について要点を絞って伝えることが大切です。
なお、けがや病気、問題行動など子ども事故発生の第一報は、保護者にとって晴天のへきれきであり、大きな不安と動揺を与えることになります。したがって、親の立場に立って、丁寧に接するとともに、必要に応じて助言することを忘れてはなりません。
例えば、病院で保護者と合流する場合でも「お母さん、私が先に行っていますから、あわてないで、おいでください」とか「保険証をお持ちくださいね」とか、温かい丁寧な言葉かけと助言に心がける必要があります。
事故が発生した場合、緊急時の組織体制を組むことになります。本部は学校では校長であり、不在の場合は教頭となります。場所は校長室が適当です。
事故発生時は学校も混乱しています。情報も不十分です。そのような状況下では情報を本部に集約させ、窓口は校長か教頭に一本化し、隠そうとしないで積極的に説明していくことが得策です。
(富山謙一:東京都公立中学校校長)
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