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クレーム対応には手順がある、どう対応すればよいか

 まず覚えていただきたいのは、クレーム対応には手順があるということです。私は今までいろいろな業種で、さまざまなクレームに対応してきましたが、クレームの内容に違いがあっても、その本質は変わりません。手順は同じなのです。
 まず、きちんとお詫びをし、それから相手の話をしっかり聴き、心情を理解します。そして、どう考えても心情は理解できないというケースが出てくると、事実確認の時点で事実がはっきりします。そうして、どうやらこれは異常なクレームだ、何か別の目的があるとわかってきたら、その段階で、対応を変えるなどしていきます。
 クレーム対応の6つの基本手順をつぎに示します。
1 お詫び
 お詫びの目的は、クレームを言っている相手の気持ちを落ち着かせることです。クレームを言ってやろうと思っている相手も、はじめにきちんとお詫びをされると、かなりトーンダウンすることが多いのです。
 原因が何であれ、相手は何らかの不快な気持ちをされているのです。そのことに対して、まずは言葉でお詫びをしてください。申し訳ないという気持ちが伝わるようにします。
 
「ご不快な思いをおかけしまして誠に申し訳ございません」と言いましょう。このお詫びは、あくまで不快な気持ちに対するもので、こちらが全面的に悪いとは、一言も言っていません。これを言ったから、その後不利になるようなことはありません。
 このときの注意点は、くれぐも、こちらが全面的に悪いと受け取られるような謝罪はしないということです。言ってはいけない言葉は「二度と」「絶対」です。私はこの言葉を言ったために最悪のケースに発展したクレームをいくつも見てきました。
2 話を聴く
 相手の緊張を解くために、たくさん話をしてもらいます。相手の話をさえぎることなく、聴き続けましょう。言い分けや反論して説明をしたくなることもあるでしょうが、相手は人の話を聴ける状態になっていませんので、ぐっと我慢します。
 相手の話を聴くときに使ってもらいたいのが、傾聴のワザです。つぎにあげるワザを使って、積極的に話を聴く態度を示すことで、相手は話しやすくなります。
(1)
うなずき
 話の終わりに合わせてタイミングよく、大きくうなずくようにしてください。
(2)
あいづち
 共感していると感じてもらうことが大切です。「はい」「そうですよね」が基本です。
(3)
オウム返し、復唱、要約する
 相手が言ったことをそのまま繰り返すことです。クレーム対応で大変効果的なワザです。「・・・・・・ということで、よろしいですか?」と言うのです。このように言われて不愉快になる人はいません。「そうです」と言っていると、怒っている人もクールダウンしてきます。激怒していて、止められないとき、実に有効な手段です。
(4)
相手の動作を真似る(ミラーリング)
 鏡のように相手の姿勢や動作をさりげなく真似ることで、相手に仲間のような安心感を与え、お互いの距離をぐっと縮めます。
 相手が早く話すときには、テンポよくうなずき、早く話すようにします。ゆっくり話すときは、じっくり話を聴きながら、納得できるところで深くうなずき、ゆっくり話します。
(5)
「ありがとうございます」と言う
 クールダウンには非常に有効な言葉です。「ありがとうございます」と言われて不愉快な人はいないからです。
3 相手の気持ちを理解する(心情理解)
 クレームがこじれる原因は心情理解がないからです。相手が今どのような状況で、どういう気持ちかを、話を聴き、観察することで、知らなければなりません。心情理解せずに事実確認に入ろうとすると、こじれることになります。
 人間は誰しも怒られるのは嫌ですから、クレームは早く終わらせたいと思うものです。しかし、それが結果的にクレームをこじらせているのです。
4事実確認 
 事実確認に入るときには「誠実に対応させていただきたいので」とクッション言葉を入れたあと「もう少し詳しくお話をおうかがいできますでしょうか」と言ってから、ひとつひと細かいことを確認していきます。
 事実確認ではクレームの原因や真因は何か調べます。クレームの原因との間に因果関係があるか。聴きながら情報を収集し理解を深めていきます。チームで対応すべきなのか、法的に対応すべきなのか判断できるようになります。
 正確に情報を収集するために「メモを取らしていただいてよろしいでしょうか」と言って、「よい」と言われたら「ありがとうございます」と言ってメモを取り始めます。メモの目的はクレームが悪化し裁判になった場合の証拠を残すことです。職場で情報共有もしやすくなります。
5 解決案・代替え案の提示
 要望が規則やルールで実現できないこともあります。だからといって「規則ですからできません」と言うのは避けます。相手はいい思いはしないからです。まず心情理解を示したうえで「ご要望はわかりますが、・・・・・・のような理由がありまして・・・・・」と説明し納得していただかなければなりません。
 相手の要求を断るときも、即答は避けましょう。断るときは、まず「○○様のおっしゃることはよくわかります。私が○○様の立場でも同じように思うかと思います」と言い、相手の気持ちを受けとめたうえで「しかし、・・・・・・」と切り出します。
 同じ断る場合でも「できかねます」とだけ言うのとは印象が大きく変わります。代替え案がある場合は、しかしの後に言いましょう。
 解決案があればなるべく早く行うことが原則です。提案を受け入れてもらうには「していただけますか」という依頼形でお願いします。待たせる場合は途中経過を伝えるだけでも相手の気分がまったく違います。
 相手の要望に応えることができないが、納得いただける代わりの案が代替え案です。 
 何とかしようとする姿勢を相手に見せることも大切です。要望通りにはできなくとも、きちんと話を聴き、状況を確認し、誠意を見せることで、納得いただけることも多いのです。「この人は私の気持ちをよくわかってくれている。この人がこう言うから、もいいいか」と思っていただける対応ができるかどうかです。
 本来、解決案や代替え案は、組織として考えに考えて、これしかないところで出すべきものです。もし、相手がダメだと言えば、これ以外の案はないと答えるしかありません。
 それでも要求を通そうとしてくるようであれば、法的対応に切り替えたり、弁護士に移管することになるかもしれません。
6 最後のお詫びと感謝
 もう少しで終わると思うと、人間は早くこの場から解放されたいと考えてしまいます。しかし、最後にお詫びがなかったために、クレームが再熱することがよくあります。最後まで気を抜かずに、改めてお詫びをしましょう。
 クレームの締めくくりはとても大切なものです。締めくくり次第で、相手との今後の関係性が決まるからです。
(
津田卓也:1995年ブックオフコーポレーションに入社、年間MVP獲得。2005年人材マネッジメント会社「Cube Roots」設立し社長。主席講師として年間約200回登壇している)

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