クレーム対応の流れは共通しています、対応の極意とは
クレーム対応の基本的な流れは、すべてのケースで共通しています。クレーム対応の基本は「ヒアリング」「謝罪」「説得」という流れで対応することです。その極意とは
1 ヒアリング
クレームを訴えてくる相手は怒りの感情を抱かえています。クレーム対応がスムーズに進むかどうかは、相手の怒りをうまくコントロールできるかにかかっているといっても過言ではありません。
クレーム対処で重要なことは、相手の怒りが爆発しないように、上手に発散してもらうことです。怒りを発散させる一番のポイントは、相手の話をしっかり聞くことに徹します。
相手の話を聞くときは、やや前傾姿勢をとります。相手に聞いていますよという合図になります。ずっと相手を見つめると威圧感を与えてしまうため、相手が強く主張しているときは、しっかり相手の目を見て、それ以外のときは、のどもとあたりを行ったり来たりするのがよいと思います。
しっかりと話を聞いていることをアピールするためには「相づち」と「相手の言葉を反復」をします。そうすることで、相手に話をしっかり聞いていると感じさせます。
ここで大切なことは、相手の怒りを一回ですべて発散させるということです。いいたいことを言い切ってしまえば、相手も冷静になり、「自分にも悪いところがあったかな」などと、相手の立場を考える余裕が生まれてくるはずです。
コメントや言いわけは差し控えて、相手の主張をすべて言い尽くしてもらうことで、相手の怒りを発散させます。
そのうえで、効果的な質問をはさみながら、相手がなぜ怒っているのかという本質的なクレームの原因を探ります。質問をするときは、抽象的なことからスタートし、徐々に具体的な部分を聞いていくことが重要です。
ただし、ここで気をつけることは、相手の怒りが発散されて落ち着いているときに、こちらの質問によって不愉快な気分を思い出させてしまう可能性があることです。
質問するときには、相手の意見を汲み取って、満足度を高めたいという気持ちを示しながら「よろしければお聞かせください」という姿勢で臨むようにします。
クレーム対応では、お辞儀も重要なポイントです。最初と最後はもちろん、要所要所で気持ちを込めたお辞儀をしましょう。
電話でのクレームで一番気をつけなければいけない点は、相づちをはっきり打ったり、相手の話をきちんと反復することで、話を聞いているという姿勢をしっかりと打ちだすことです。また、声のトーンは低めの声で、落ち着いた雰囲気を出すことも求められます。
相手から責任者をだせと言われたからといって、すぐに責任者を出すのは考えものです。責任者というのはフォローの段階で出てくるべき人間です。責任者は切り札なのです。最初に話を聞く役ではありません。
責任者でなくても、しっかりとした対応ができることをアピールする必要があります。「私が責任を持って、お話を上司にお伝えします」という姿勢で、しっかりメモを取りながら相手の話を聞いていきます。
2 謝罪
本質的な原因がわかったら、それに対して「申し訳ございませんでした」としっかりお詫びします。クレーム対応中は、お詫びのスタンスを徹底することが大切です。
気をつけることは、表情と態度です。目線と声のトーン、言葉遣いなどをつねに意識して、相手のカンにさわらないよう細心の注意を払うことが求められます。言葉に気持ちのこもった言い方かどうかで印象がだいぶ変わってくるはずです。
3 説得
クレームの原因に対する対応策を提示し、相手を説得します。即座に対応できるクレームの場合は、すみやかに手続きに入りましょう。
組織的な問題などで即座に解決できない内容の場合は、クレームの解決策とともに、それを今後どのように反映させていくかということを話します。
このとき「考えておきます」といったあいまいな答えでは、相手の信用は得られません。「今週中に話し合いの場をもち、具体的な施策を考えまして来週以降実践します」というように、期限を設けることがポイントです。
(江澤博己:1970年生まれ、ホテルに勤務したあと、独立しコンサルティグや講演活動を行っている)
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