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子どもが問題を起こしても小学校では指導が甘く、中学校では厳しい傾向がなぜあるのか

 深刻さを増す小学校の子どもの問題行動。なぜ歯止めがかからないのか。多くの教育関係者が学校側の生活指導のノウハウの欠如、対応の遅さなども原因と指摘する。
 ある小学校の教師Aは、小・中学校間の人事交流制度で2年間中学校に異動した。その中学校での出来事。放課後、生徒二人が殴り合いのけんかをした。
 まもなく学級担任ら同学年の担当教師10人に非常招集がかかった。一人の生徒に複数の教師が付き添い、事情を聴く。それが終わると、ただちに保護者に連絡した。こうしたすばやい対応は、学級を一人で受け持つ小学校では、考えられないことだった。
 中学校では、生活指導部が中心となって全校体制の指導をするが、小学校にはそんなシステムはない。これで、子どもの問題行動などに対応できるのか。
 別の小学校の教師Bは、6年間勤めた中学校から異動した。「小学校では生活指導担当者がいるのに、担任に問題解決が任され、担任一人で問題を抱え込みがちではないか」という印象を抱いた。この教師は前任中学校にあったマニュアルをもとに、生活指導マニュアルを作成した。
 授業妨害、けんか、暴力行為、いじめなどのケースに応じて、具体的な対策を明文化した。警察や児童相談所といった関係機関との連携体制も整えた。
 
「担任だけでは解決できない問題が増えるなか、学校全体で対応する組織が整ったことは大きい」と小学校の校長は話す。
 小学校と中学校の文化の違いは、システムの問題にとどまらない。子ども一人ひとりの個性を尊重し、やわらかく育てるのが小学校の指導。これに対し、中学校では厳格にルールを守らせる指導である。
 A教師は中学校の経験で「最初は、ここまで規則を厳しくする必要があるのか」と思った。しかし「小学校の認識が甘いのかもしれません。中学校ではルールを徹底させないと、すぐに荒れる傾向にある」という背景があるから、生活の乱れを防ぐために厳しくしていると理解した。
 小学校では、子どもが問題行動を起こしても、時間をかけて「心に寄り添う」指導が好ましいとされる傾向がより強い。そんな環境になじんだA教師から見れば「中学校のシステム化された対応では、子どもがかわいそうな気がする」という。
 しかし、一方で「現状のままでは深刻化する小学生の問題に対応できなくなるかもしれない」とも思う。そして「中学校に入学した子どもが、ルールというものを前にしてとまどうのは間違いない」と考え始めている。
(
産経新聞社会部 教育問題取材班)

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