子どもに自己抑制力をつけるには怖い人をつくる
子どもの心の中に自分を抑制したり、自分を律する力をつけるためには「怖い人」を子どもの心の中につくることである。
学校の中で「怖い人」をつくるには、叱ることができる教師がいて、叱ることで「怖い人」となることだ。その叱ることのできる教師は子どもからも尊敬され信頼されていることが条件である。
つぎに、そういう教師が学年に一人もいないのなら、学年で生徒指導体制をつくれば良い。暴言や器物破壊などの問題行動の段階では、親と相談する、教師がパトロールする、別室で謝罪するまで説諭するなどと「怖い人」を設定すれば良い。かなりの子どもは、自己抑制力が働いて限度を理解するだろう。
しかし、暴力行為をくり返す生徒にはもともと「怖い人」は存在しない。対教師暴力などはその典型だろう。「怖い人」の代わりに、法的対応として警察などの外部機関を持ってくるべきだろう。放置されると被害者はもちろん加害者を守ることはできない。
(吉田 順:1950年北海道生まれ、37年間横浜市立小・中学校教師。生徒指導部長16年、学年主任13年。生徒指導コンサルタントとして全国の荒れる学校と関わる。「生徒指導」ネットワーク主宰)
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