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保護者と上手くいく秘訣とはなにか

 保護者と上手くいく秘訣として第一にあげられるのは保護者に対して「常に感謝の気持ちをもとう」ということである。
 まずは「忙しいときに足を運んでいただき、ありがとうございます」から始める対応は、保護者の気持ちを和らげることになるはずである。
 常に保護者に感謝の気持ちをもつことで、単なる苦情から改善のための相談となり、問題解決の道のりを的確に示すことが十分可能になるのである。
 
「保護者は最大の応援団である」という言葉を日常から使える自分づくりをできるようにしておこう。それは、教師の意識が、保護者は自分に対する協力者という立場と考えれば、常に自分のことを助けてくれるのが保護者ということになる。これは、必ずよい結果と結びつくはずである。
 保護者が気づいたことを連絡帳や電話などで伝えてくれる場合がある。保護者の声をしっかり受けとめておくことは、事が大きくなる前に解決に導くことにつながる。不安な心配なことはすぐに対応する。指導は柔軟な姿勢で厳しく積み重ねていく。
 保護者との連絡を密にするとよい。生活指導上の課題は、その日のうちに必ず連絡する。「スピード感」と「対処の仕方」を両軸として保護者との連携を図ることで、一気に解決に向かうことになる。
 保護者は、わが子の姿を見て、学校での適応状況を見ている。担任からわが子へ積極的な働きかけがあれば、保護者の意識も担任と同一方向となり理解を深めてくれるはずである。
 子どもは担任から声をかけてもらいたいと思っている。一日一回は、言葉がけをして居場所づくりをする。学習面での励ましをする。それは、保護者の担任への信頼をより確かなものにしていくことになる。
 授業が充実していれば、子どもにとって、わかったこと、達成できたことが増え満足し、保護者も安心して担任にまかせることができる。
 そのためには、授業を改善することである。分かる授業で子どもが変わる。達成感の連続は、学校での楽しさを増幅する。授業の改善は、小さなことから取り組もう。やってみることで必ず道は開けるはずである。
 生活指導で一番苦労することが、子どもたちの人間関係を保つということである。保護者はわが子が「楽しく学校に行ってくれればよい」と考えているものだ。子どもたちの人間関係を保つというのは絶対条件なのだ。
 安定した人間関係づくりをするためには、学習や生活規律を保つことである。それには、担任として、子どもの課題に向き合って生活指導することが重要である。
「自分がされて嫌なことはしない」「自分を大事にすることから始めよう」を基本として進めたい。このことを出発点として、他人を思いやり、大事することを認識させる必要がある。
 保護者が訴えてくるのは「直接訴えたい」という意識からの行為である。そして、自分の子どものことをわかってほしいと思うものである。したがって、誠心誠意、教師がかかわれば、必ず分かってもらえるという意識で臨みたい。
 対話とは「受け取る力」「届ける力」である。保護者がどんな思いで伝えようとしているか、教師が全部を受けとめることができるか、つぎの方向性をしっかりと届ける思いで伝えているか、ということが大事なのである。
 学校は保護者とじょうずにいくことを目的としていない。子どもをよりよい方向にもっていくことが目的であり、それが結果的に保護者との連携を強化にし、信頼ともなっていくものである。
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釼持 勉:東京都公立高校・小学校教師、教育庁、小学校長を経て、帝京大学教育学部教授、東京学芸大学特任教授)

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