クラスが荒れても保護者に教師を応援してもらえるようにするには、どうすればよいか
クラスに問題が多い時こそ、保護者への対応も難しくなってきます。トラブルが発生すると、子どもの問題行動を保護者へ連絡しなければなりません。
教師の「家庭でも指導してほしい」「学校と保護者が一緒になって子どもを良くしていきたい」という願いは保護者にはなかなか通じません。
それどころか、保護者は「教師に文句を言われた」と反感を持ち、教師不信になります。
そこで、逆転の発想をします。学校からの電話を楽しみにしてもらえるように「子どもが成長したこと」を伝えるように心がけるのです。
保護者は学校からの電話に身構えて、不安な気持ちで受話器を取ります。教師は開口一番「良いことがあったんですよ」と言うと、保護者は安堵し、胸襟を開いて話をしてくれるようになります。
例えば「ちゃんと謝ったのですよ。成長しましたね」とトラブルを通して子どもが成長したことを知らせ、子どもの変容を強調します。
その際、教師がどのように指導したのかを話します。教師の対応が子育てに役立つからです。
また、教師が「子どもだから、つい手が出るんですね」というように、子どもの気持ちに理解を示すと、保護者は「それはダメです。どんなことがあっても暴力はダメです」と、保護者のほうから、わが子へ厳しい意見を言うようになります。
教師が子どもを擁護するほど、保護者はわが子への厳しい指導を望むようになります。
子どもの良さを伝え続けることで、保護者は教師に親近感と信頼感を持ちます。
保護者がわが子からクラスの荒れを聞いても「あの先生なら大丈夫」と教師を批判せず、前向きな言葉で子どもの背中を押してくれます。保護者が教師を応援してくれるようになります。
(城ケ﨑滋雄:1957年鹿児島県生まれ、千葉県公立小学校教師、教育委員会、不登校対策教員として不登校児童と関わる。荒れた学級の立て直し、小学校教師として教育情報雑誌「OF」等で情報発信している)
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