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難しい保護者との対応で精神的に追いつめられないためには、どうすればよいか

 最近では、中堅やベテラン教師、管理職までもが保護者対応に苦慮し、なかには休職や早期退職にまで追い込まれるしまう場合も少なくありません。
 教育委員会によっては、支援チームを設置したり、弁護士を雇ったり、教師向けのマニュアル作りや研修会を開催するなど様々方策を講じていますが、トラブルが減少する気配は見えません。
 教師にとって保護者と人間関係を築いていくことは子どもとの関係を築くことと同様に重要です。しかし、日々の仕事に追われるなかで、学級通信や連絡帳、電話といった間接的なものになってしまい、顔を合わせる機会は限られてしまいがちです。
 保護者が多様化するなかで、これまで通りの指導方針では保護者との連携が難しくなってきているのも事実です。このようなとき、難しい保護者との対応で精神的に追いつめられないためには、何が必要なのでしょうか。
1 日頃から信頼関係の形成をはかることが大切です
 信頼関係とは「この人なら自分の思いや悩みを話しても大丈夫」という感覚をもつ関係です。
 そのためには、保護者の関心に寄り添って誠実に話を聴くことが何より大切な姿勢です。そのうえで、次のような対応をすることが信頼関係の形成につながります。
(1)
保護者への連絡はこまめに、ていねいに
(2)
初期対応が肝心。迅速かつ誠意ある対応を
 後手に回ってからの不用意な説明は言い訳にしかとられかねない。
(3)
素早く的確に事実確認して、説明責任を果たす
 問題が広がりを見せる場合には、複数の教師で対応する。
(4)
問題があると思われる場合には、直接「保護者と顔を合わせる」ことを心がける
 電話や連絡帳による連絡はできるだけ避ける。
(5)
具体的な対応策なしに「様子をみましょう」ということは避ける
2 教師と保護者が目標を一致させるように努めることが大切です
 子どもの問題をめぐって、教師と保護者が目標を一致させないことで混乱をまねくことはよく見られます。そうならないためには、
(1)
保護者の訴えを明確にする
 何が問題なのかを明確にします。訴えの根底にあるものが「子どもの課題なのか」「保護者自身の課題なのか」を、見きわめ、関わる距離を定めることが、精神的に追いつめられないうえで重要です。
(2)
組織的に対応する
 決して一人で抱かえ込まないで、組織的に対応することです。解決の見通しが見えない問題を、解決できる問題にするためには、衆知を集めることが必要です。
 中心になる人を明確にし、役割分担して、学校をあげて組織として対応していくことが、問題解決や教師の精神的な健康を保つためにも重要です。
3 学校の対応できる範囲を超えた問題
 学校だけでなく外部との連携を視野にいれて対応する。カウンセリング的な「受容・共感を伴う対応」と「法的な対応」(法的に判断すればよりよい結果が導き出せるかを考える)のバランスをとることも、これからの保護者対応で教師が燃え尽きないためには必要なことであると思われます。
(
新井 肇:1951年生まれ、埼玉県公立高校教師を経て、兵庫教育大学教授。カウンセリング心理学を基盤とした生徒指導実践の理論化、教師のストレスとメンタルサポート等を研究)

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