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「人の長所を観察する、考える」習慣で、壁を乗り越え、新たな道が開けた

 身長が低いが全日本女子バレーボール選手代表として活躍しました。つねに続けてきたのは「考える」ことです。そのおかげで、いろいろな出来事を乗り越えてこられた気がします。
 バレーボール選手として最大の壁は、159cmという低い身長でした。身長が高いほうがバレーボール選手として有利です。高校卒業後も、どこのチームからも声がかからず、実業団入団後も控えの選手であることが長らく続きました。
 それでも、あきらめずにいられたのは、つねに「そうであるならば、どうする」と考えてきたからです。バレーボール人生を通して続けていたのは「考えることから、逃げない」ことです。「身長が低いから通用しない」ではなく
「身長が低くても通用するためには、どうすればよいか」
「何を頑張れば、世界で通用するか」
「チームの中で、自分の居場所をどうつくるか」
といった、「できない理由」ではなく「できる方法」を考え、あらゆることを実践してきました。
 考えないほうが、生き方としては楽だし、簡単です。考え始めれば悩みも出てきて、悩んでいる間は苦しい。しかし、周囲の助言も聞き入れながら、考え続けていると、必ずいい道がひらけてくるものです。
 考えるなかで、もう一つ日常的に行ってきたことは「観察」です。これは「セッター」(攻撃する選手に向けて球を上げる)という私の役割が影響しています。
 セッターは、いわばチームの司令塔です。仲間の選手にサインを出し、球を攻撃する選手に向けて上げるという重要な仕事です。チームの力を最大限に発揮するうえで、各選手の特性や性格をよく理解していなければ、この仕事はつとまりません。
 選手の性格や考え方などはさまざまです。気の合わない人も必ずいます。しかし、一人ひとりをじっくり観察すれば、どんな選手も長所や強みは必ず見えてきます。
 そのうえで「この選手の強みと、あの選手の強みはこんな風に活かせないか」と考えるようにする。長所をパズルのように組み合わせ、シミュレーションすることを続ける。
 このように考えて練習したことが成果につながり、少しずつ評価を得ることができたのだと思います。
 選手たちの長所を探せば、新しい発見ができて、いい関係が生まれる。チャンスが広がるし、人間関係も豊かにしてくれる。
 勝ために始めた「観察」は、その後、すっかり私のクセになっています。
 頑張っても報われないことは、いくらでもあるでしょう。しかし、努力は必ず人生のどこかで「何か」につながります。自分自身が強くなれたり、成長できたり、周囲の信頼を得られたり、新たな道が開けたりします。
 2012年のロンドンオリンピックでは銅メダルを獲得することができました。
 コツコツとした努力は、いたって地味な繰り返しで、その時は意味があるのか、ないのかわかりにくいときもあります。しかし、実は一番、その人の人生を変えるものだと思います。
(
竹下佳江:1978年福岡県生まれ、元全日本女子バレーボール代表キャプテン。2012年のロンドンオリンピックで銅メダルを獲得。女子バレーボールチーム「ヴィクトリーナ姫路」監督)

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