教師の指導力の不足をのりこえるには、どうすればよいか
どのような教師には指導力があるのだろうか。
わたしは、顔つき、からだつきから「怒るとこわい先生」と見られ、そのことが指導の武器になっていた。
美人や美男子の教師もそうで、逆の教師より指導の入りがよい。
声の大きさ、明瞭さ、すてきな笑顔もそうだ。
これは、嘘のような話だが、指導力不足に悩んでいた教師がいた。「太い縁取りのめがねをかけろ」と助言した人がいて、そのとおりにしたら指導が成立するようになったという。
ということは、教師は、あらゆるものを用いて教育していることになる。
とすると「自分のどこが子どもたちに受け入れられているのか」、反対に「自分のどこが子どもたちに拒否されているのか」を知ることである。
その結果、ユーモアに欠けるとすれば、その力をつけるように努めることだ。
教師は自分をらち外において、わたしの教育がうまくいかないのは「子どもの質が悪いからだ」「地域もよくないし、保護者もみんなわかってない」と、他の者のせいにしてはならない。
教師が指導力をつけるには「自分を知り、自分を変える」ことである。
(家本芳郎:1930-2006年、東京都生まれ。神奈川の小・中学校で約30年、教師生活を送る。退職後、研究、評論、著述、講演活動に入る。長年、全国生活指導研究協議会、日本生活指導研究所の活動に参加。全国教育文化研究所、日本群読教育の会を主宰した)
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