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学級崩壊を回復するために、学級崩壊した担任をどうサポートすればよいか 

 学級崩壊に直面したら、だれでも気が動転し傷つきます。それを癒さなければ学級崩壊に対応できません。
 私は学級崩壊した担任から相談を受けたとき、学級回復を援助するためのアドバイスのポイントは「受容し心を安定させる」「自分自身を否定するのを防ぐ」「対応を計画しリハーサルする」です。
 相談にのるとき、具体的には次のようにしています。
1 まずは、学級崩壊した担任のつらい気持ちに十分、耳を傾けます。最初、担任は自分の正当性を主張し、周りを強く攻撃しますが、それほどつらいのだと受容します。
2 次に、担任は「学級を崩壊させた私はダメ教師である」と自分を厳しく責めてしまいます。これをうまく乗り越えないと、自信をなくし退職を選んでしまう場合があります。「私はダメ教師である」という考え方は論理的ではありません。問題を冷静に見て論理的な思考にもどすようにします。
「今まで学級経営がうまくいっていたのは、今までの子どもに合っていたからだ」
「今うまくいかないのは、今の子どもたちに、従来うまくいっていた方針で対応しているからだ」
「今の子どもたちに必要な対応方法を考え、従来のやり方を修正して学級経営すればよい」
「コツがわかれば対応できるはずだ」と。
3 担任が自分を責めることから、行動を修正しようという方向に視点を向ける
 落ち着きを担任がとりもどしたら、具体的な対応に入る計画を立てます。まず、学級の状態を客観的に把握(学級満足度尺度Q-Uなどを利用するとよい)し、それをもとに自分の学級経営のあり方を検討します。
4 具体的な目標に向け、やればできそうだという見通しを担任にもたせる
 学級崩壊の段階や残りの日数、担任の力量などから、どこまでできるかを検討します。また、学級の目的地のイメージを確認します。
 すると、月ごと週ごとにやる量の目標が見えてきます。現状がスタートです。どれくらい向上したかを定期的に検討します。
5 具体的な対応の計画を立て、実行できるように練習をする
 教師の仕事は、子どもたちに知識技能、社会性を身につけさせる「指導的」側面と、一人ひとりの子どもの自己の確立や人間関係の育成を「援助」する側面があります。
 この二つの側面を子どもたちの実態に合わせて統合し、学級経営を行っています。
 学級崩壊は、担任がふだんからどんな学級経営方針をもっているか、どう子どもに対応しているかと関係があります。学級崩壊までのパターンと教師のタイプは
(1)
「反抗型」学級崩壊-指導的なタイプの教師
 知識技能、生活態度をしっかり身につけさせようとする指導に、子どもたちが息苦しさを感じ、集団で教師に反抗する。
(2)
「なれあい型」学級崩壊-援助的なタイプの教師
 教師と子どもが仲がいいだけ、子ども同士は他人のままなので、トラブルが積み重なって学級がバラバラになってしまう。
 まず、担任の対応が、指導と援助のどちらに偏って子どもたちに伝わっているのかを理解するようにします。
 次に、いい点、修正すべき点を分類し整理します。観点は
(1)
子どもたちとの関係のとり方
(2)
学級全体への指示の出し方
(3)
話し方
(4)
注意のしかた
(5)
規則の定着のさせ方
などです。
 いい点は、今後も意識して実行します。一方、修正すべき点については、修正した後の具体的な方法まで考えます。
 そして、必要度の高い順番に整理し直し、担任の対応できる力量を考慮しながら、全体計画の中に位置づけていきます。
 なかでも、(2)(3)(4)などは、授業や学級の活動に直接影響を与えます。これらは特に、一つ一つセリフでマニュアルをつくり、ロールプレイ方式で練習するようにします。
6 筋目ごとに成果を確認して力ずけ、4と5を繰り返せるように援助する
 全体計画の中の区切りごとに、その効果を確認します。学級満足度尺度Q-Uなどを利用すると便利です。結果を確認することで、担任は不安を解消できます。
 一つでも良くなっている点があれば、次への意欲につながります。
 あまり変化がなかったとしても、担任は自分を責めずに原因を考え、次の期間から新たに修正して対応すればよいのです。
 いい結果がでなかったら、先生がダメだからではなく、採用した方法が合わなかったからなのです。
 私は、教師が心の安定を取り戻すまでカウンセリングしています。計画を立てて、具体的な対応ができるように励まし、そのための内容をアドバイスし、かつ、ロールプレイ方式で練習の相手になっています。
(
河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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