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いじめや暴力など被害を受けた子どもや保護者への対応はどのようにすればよいか

 いじめや暴力などが発生した場合、被害を受けた子どもと保護者に対して迅速かつ丁寧な説明をしないと問題が拡大してしまうので十分な配慮を要する。
 被害者の子どもに対応する場合、何より大切なことは、被害者の胸の内をどれだけ理解できるかであり、それに寄り添うことが大切である。
 被害にあった子どもの保護者の思いは、加害者が反省をし、今後一切このようなことがないよう約束してほしい。教師には、指導の在り方を改善し、指導を徹底してほしい、ということである。
 いじめの被害者が学級全体の中で被害にあうと、長期化しやすく、被害者に心的外傷や集団参加への消極性などが心配される。排斥されるのは自分のせいだから仕方がないとあきらめ、自己否定してしまっている場合もあるので、全力をあげて味方になることを伝え、安心感を持たせながら支援していきたい。
 また、仲間の中でいじめが起こる場合は、多数対1人の構図ができ、命令されたり、面白がったりなどがエスカレートしていき、悲惨な状況が起こってしまう。周囲からは遊び仲間と映ってしまい、状況が見えにくく実態の把握が困難である。仲間集団との決別をどう進めていくか複雑な心境でいることを念頭に置き、強く切り込んでいかなければならない。
 けんかの場合は、正当防衛やどちらにも原因があるなど、加害と被害を明確に分けにくい状況もあるので、事実の把握については慎重におこなうようにする。被害状況が明らかになったら「この部分については謝罪しなさい」などの細かな対応が必要である。
 被害者が恐怖感を抱いている場合もあるので、全力をあげて被害者を守ることを表明して支援したい。加害者の子どもにも、その背景要因を探りながら、情緒の安定やコントロールする力を育てる支援を展開したい。
 被害状況を保護者に説明し、支援を展開していく場合は、何よりも誠意を持って寄り添い、苦しい状況に共感しながら対応していくようにすることが大切である。
 被害状況が発覚したら、できるだけ早く第一報を入れる。他の子どもや保護者から聞いているのに、教師からは何の連絡もないと不信感を抱くことになるので、迅速に連絡を入れたい。
 被害状況は、電話などではなく直接、家庭に出向いて、顔を合わせて丁寧に説明する。その際、事実関係を丁寧に記録したノートを見ながら、時系列で、前後関係や人間関係の動きがわかるように丁寧に説明すると、保護者は「この先生だったら任せられる」という安心感が生まれる。
 正確に把握していない段階でも、躊躇することなく「このようなことがあるようです。詳しくはこれから調べます」と伝えておくと、保護者は随分と助かるものです。
 なお、その後の段階で、事実関係が動いていく場合もあるので「今の段階として、わかっていることですが、・・・・・」と前置きして説明しておくと、その後の変動にも対応できる。
 被害者の支援は、その子と保護者の辛さや苦しみに共感しながら、新しい段階へ成長していくために、どう寄り添っていくかという、人道的な関わりが強く求められる。
 被害者の心の傷は、癒えることなく、心の中にずっと残り続け、その後の集団参加や生きる力を弱めてしまうことがある。事を急いではいけないし、じっくり関わりながら、自己治癒力や自己成長力が動き出すことをめざして、支援を継続したいものである。
(
光武充雄:佐賀県公立小学校長)

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