4月の新学期の一番最初に子どもに語るとよいこととはなにか
4月の新学期のはじめに学級の子どもたち全員と「よいクラスにしよう」と誓い合います。しかし、1年間でさまざまなトラブルが生じるでしょう。その時にこの誓いを思いださせるのです。自分たちの行為について振り返るきっかけになります。
例えば、担任が
「今日から、このクラスがスタートします。さて、はじめにみなさんに確認しておきたいことがあります」
「それは、あなたたちは、どんなクラスにしたいか、ということです」
「誰か考えはありませんか?」
子どもたちから、例えば「いじめがない」「男女の仲がいい」「明るい」、いったことが出されると、担任が板書していく。
担任が
「全員起立」
「では、今、黒板に出そろったような『いいクラス』にしよう!」
「そのために力を貸してくれるという人は座ってください」(子どもたち全員が座るはずです)
「さあ、みなさん、教室を見渡してください。全員が『いいクラス』にするために力を貸してくれるとのことです」
「先生は、そんなすばらしい皆さんと出会ってとっても嬉しいです」
「1年間、頑張っていきましょう」
この指導は年度はじめに、やっておくことをおすすめします。実はこの「いいクラスにしよう!」と誓い合ったことが、この先、子どもたち自身を「追いつめていく」ことになるのです。
例えば、しばらくして誰かが悪口を言った場合に
「きみは、年度はじめに何と誓ったのですか?」
「今回のきみの行為は、いいクラスをつくるために役立つと思いますか?」
「思わないのなら、どう責任を取るのですか?」
「口先のきれいごとなど聞きたくはありません」
と厳しい指導を入れることができます。
子どもたちにとって「自分たちで価値観を確認」しておきながら、それを破ることは「うそつき」になります。
子どもが自分のよくない行為を振り返って反省できるようになります。
(土作 彰:1965年大阪府生まれ、奈良県公立小学校教師。授業のネタを収集、何かが足りないと気づき、深澤久氏の学級を参観し衝撃を受け教師に必要な哲学を研究。学級経営を成功させるには「知的権威の確立」「リレーション」「社会的手抜きの駆逐」の3要素が必要という「学級づくりの3D理論」を提唱し実践している。日本教育ミニネタ研究会代表、学級づくり改革セミナー主催)
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