授業のチャイムが鳴っても席につかないし、静かにしないとき、どうすればよいか
授業の始まりのチャイムが鳴っても、なかなか教室にもどってこない子もいる。授業の開始時間を子どもたちに守らせることが大切である。
そこで、つぎのように指導する。全員の子どもたちが教室にもどってきたところで、教師が「全員立ちなさい」指示する。
つぎに「チャイムが鳴ったとき席につけた人は座りなさい」と指示する。そして「座れた人は、りっぱです」とほめる。
この指示と評価を毎時間続ける。やがて、チャイムが鳴ると全員の子どもが教室にもどってこられるようになる。
しばらくすると、この約束がまた守れない場面が出てくる。そのときは、班で取り組ませてみる。
「全員立ちなさい」「チャイムが鳴ったとき席につけた人は座りなさい」と指示する。そして「○班と△班は、全員座れました。りっぱです」とほめる。班で声をかけ合って席につくことに取り組ませるのである。
授業を始めようとするとき、子どもたちが静かにしないので「静かにしなさい」と教師が指示するのはよくない。では、どうすればよいのでしょうか。
まず、はじめに音で集中させる。
「みんな、手を3回打ちなさい。さん、ハイ」と指示する。半数以上の子が手を打つ。おしゃべりをしていた子も、何が始まったのだろうかと集中しはじめる。
さらに続けて「今度は、手を4回打ちなさい。さん、ハイ」と指示する。ほとんどの子が手を打つ。
次は目で集中させるようにする。「指の数だけ手を打ちなさい」と指示し、指を5本見せる。子どもたち全員が手を5回打つようになれば、完全に子どもたちは教師に集中している。
最後に「手を上げたら、パチパチと拍手をしなさい。手を下げたら、ぴたっとやめなさい」と指示して、手を上げる。子どもたち全員が拍手する。しばらくして、手を下げる。全員が拍手をひたっとやめる。教室が静かで楽しい雰囲気になる。
子どもたちに作業をさせているときや、グループ学習をしている場合、教師が「やめて、こちらを見なさい」と指示しても、なかなか指示どおりにならない。
こんなときには、まず「手をひざの上に置きなさい」と指示する。手に何か持っていると集中できないからである。
次に「先生のほうに、おへそを向けなさい」と指示する。これで自然と教師の方に体が向き、集中する姿勢がとれる。
それでも、少しざわついている場合は「静かにしなさい」「口を閉じなさい」と指示するよりも「歯を見せないようにしなさい」と指示するほうがよい。
このような言葉を使うと、子どもたちは、どのように行動すればよいかがイメージでき、すぐに行動に移ることができる。
(加藤辰雄:1951年愛知県生まれ、元名古屋市立小学校教師。愛知教育大学非常勤講師)
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