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教師が原因で起きる学級崩壊とは、崩壊したとき保護者ができることはなにか

 学級崩壊は、多くの場合、教師と子どもとの関係づくりの失敗が原因です。
 その原因の一つは、教師が子どもをひきつける魅力を持っていないことです。なんでもいいから、子どもたちが尊敬できるものがあると、子どもたちは教師に一目置いて見ます。
 私は、サッカーの得意な教師には「子どもたちとサッカーして、技を見せつけてやりなさい」と言います。そういうものなしで、教師が子どもたちの前に立って、指示を出しても、子どもたちには響いてきません。「なめられ」軽く見られます。なめられたら、子どもは言うことを聞かなくなります。
 また、子どもとのコミュニケーションがとれない教師も、学級を崩壊させてしまいやすいですね。授業中や日常のありとあらゆる機会に、きちんと子どもたちと言葉を交わせないのです。
 それができないと、子どもたちのために行っているすべてのことが「先生が勝手にやっていること」になってしまうのです。
 学級崩壊が起きたら、保護者はとても心配です。授業が成立しないのですから、当然です。だから「担任を代えてください」という要求が出てきます。
 しかし、担任が交代したらどうなるかを考えてみましょう。まず、一度崩壊したクラスは、誰が入ってもいい状態に戻すことは不可能に近いものです。交代するとしたら、誰がいるのかということも考えましょう。
 学校の中に担任を持たないで自由にしている優秀な教師なんて絶対にないですよね。それで、非常勤講師を探すことになります。優秀な人は引く手あまたで、フリーでいることは、まずないのです。要するに、担任を代えてくれと言っても、代えるための人手がないということです。
 たとえ、一度崩壊した学級に新しく教師が入っても、再び崩壊して休職してしまうということは当たり前のようにあることです。担任の代行をしながらがんばった教頭が倒れた例を私はいくつか知っています。交代してもうまくいく可能性はかなり低いと言っていいでしょう。
 がんがん担任を責めるより、どうしたら担任に協力できるのか、どういう補い方ができるのかを考えたほうか、現実的だと思いませんか。
 間違えてはいけません。学級崩壊のときに学級を荒らしているのは、担任ではなくて、子どもたちなのですよ。だったら、教師と相談して少しでも協力できる道を探すことが良いではありませんか。
 学級崩壊しているとき、保護者はどうすればよいのでしょうか。教師と一緒に話し合って少しでもわが子へのダメージが少ないように考えていくしかありません。頼りなく感じても、学級でわが子を見てくれているのは担任なのです。
 ともかく、親子が学級の現状についてじっくりと話しましょう。学級崩壊をわが子がどう感じているのか。困っていることはないのか。教師のことをどう思っているのか。そういうことについて話をするべきです。
 学級が崩壊しているとき、子どもたちは「イヤだ、楽しくない」と感じています。そういうマイナスの感情を吐き出させましょう。
 学校での精神的なダメージを「お疲れさま。今日はどんな感じだった」と、家に帰ったら癒してあげることを考えましょう。学校のことを会話できるようになると、子どもも楽だし、親にもいろいろなことが伝わってきます。
 直接、学校の様子を見に行ったうえで、管理職や担任とも話をしましょう。
 学習面でのフォローは、しっかり考えましょう。教師の力を借りましょう。教師を糾弾したり攻撃したりせずに協力していく姿勢でいたら、教師は出来る限りのことをしてくれます。
 学級が崩壊していても、教師と個別のやりとりはできます。個別に力を借りればいいのです。学校の教師って善良な人なのですからね。
(
多賀一郎:1955年生まれ、神戸大学附属小学校を経て私立小学校教師。退職後は追手門学院小学校講師、専門は国語教育。在職中に日本私立小学校連盟国語部全国委員長歴任。親塾・教師塾等で保護者・教師教育の手助けをし、全国で講演)

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