教師が保護者とつきあうとき、重要なことが三つあります
教師が保護者とつきあうとき、どんなことに気づかったらよいのでしょうか。重要なことが三つあります。
(1)保護者と同じ生活者としてつきあう。
人間として対等につきあうということです。母親に会ったら「子育てってたいへんでしょう。いつもご苦労様です」と、庶民感覚や自然体で話し合える教師であること。
子どもの成績や生活をすぐ話題にするのではなく、いろいろな生活にかかわる話題の話をするといいのです。
生活の中の喜怒哀楽を共有し合えることが、人間として心を寄せあう一番のきっかけになるからです。
(2)親にとって子どもは宝なのだという認識をもって、子どもにも保護者にも謙虚であること。
親にとって、わが子は宝です。その親心を忘れて「できる子」だけを偏重するようなことをしたら、保護者が怒り、不信感をもつのも当然です。
教師は「親の大事な宝を預かっているんだ」ということを、どんな場合でも忘れてはならないのです。保護者の願いを受けて、子どもを育てることが教師の仕事です。
(3)新年度のスタートから、保護者とのつきあいにも、子どもへの対応と同じ重点をおいて取り組む。
保護者との取り組みは、新年度の当初からスタートダッシュした方がよいということです。
教師の傾向として「学級づくりや授業が軌道にのってから保護者との結びつきを考えよう」という人が少なくありません。
子どもたちに力を注ぐだけでなく、保護者との取り組みにも同時に力を注ぐのです。
「これは話し合っておいた方がよさそうだ」と感じたら、始業式のその日でも家庭訪問してよいでしょう。
また「このことはていねいに聞いておきたい」と思ったら、入学式の後の夜にでも、すぐ電話してよいでしょう。
そのことが、以後の子どもの指導に、はかり知れないほどの効力をもたらすことを忘れてはなりません。
(坂本光男:1929-2010年、埼玉県生まれ、元小学校・中学校・高校の教師。教育評論家。日本生活指導研究所所長・全国生活指導研究協議会会員)
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