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優れた教師たちは、新年度の学級づくりをどのようにスタートさせているのでしょうか

 優れた実践家たちの多くは新年度が始まる最初のスタートが勝負であると言います。
 最初の一週間内で学級の生活ルールや学習ルールを指導し、一か月内に定着するよう繰り返し指導します。
 向山洋一は最初の三日間の「学級のしくみ」づくりに全力をあげるべきだと言います。
 大前暁政もスタートの三日間に教師の基本的な姿勢を示し、学級の仕組みをつくっています。さらに、最初の一週間は、一年間の授業の成否がかかってくると、学習規律を教え、授業への意欲がわき出るようにしなくてはならないと言います。
 戸田正敏も「子どもたちが話が聞けるようになると学級は落ち着いていく」と、二週間で話を聞く雰囲気をつくることを主張しています。学習習慣をつけるために毎日指導することが最低一か月必要だと言います。
 野中信行は「3・7・30の法則」による学級作りを唱えています。三日目までに「今度の先生は一緒にやれそうだ」というイメージを子どもたちに与え、学級の仕組みの第一歩を作ります。
 そして、一週間までに学級の仕組みを作り、一か月でその仕組みを完成させます。一か月後からの取り組みは、三か月間で子どもの自由度を徐々に増加させるとともに自治的活動の下地をつくります。四か月間で自治的活動を軌道にのせます。
 学級づくりの目的は子どもたちを群れから集団、つまりチームに育てることだと私(赤坂真二)は思います。子どもたちは、一日に5人くらいの子どもとしか会話していなことが調査でわかっています。今、学級は放っておくとバラバラで学級がその体を為さなくなってしまいます。
 学級のチームづくりは、4月の最初の7日以内に学級の生活や学習ルールを一通り指導し、30日間で定着するよう繰り返し指導するようにします。
 30日間で一斉指導の体制を定着させたら、そこから、徐々に子どもの自由度を増やしていきます。2か月くらいかかります。
 自分たちで考え行動できるように教え育てる例として体育館の整列指導を私は次のようにします。
「みなさんは、先生が前に立って指示をしないと『並べないクラス』と『並べるクラス』、どちらになりたいですか?」と問いかけます。普通のクラスは後者を選びます。
「今日は、残念ながら並ぶことができませんでした。次回、自分たちの力で並べるようになりたい人?」と問いかけます。おそらく子どもたちは賛成します。
「では、作戦をたてましょう。どうやったら自分たちだけで並びますか?」と考えさせます。子どもは様々な作戦を発案するでしょう。
 例えば「先頭の人が声をかける」「全員で声をかける」など、結論はどれもいいと思います。達成したら大いに認めます。失敗したら、どうしたらいいか考えさせます。大切なことは、自分たちで考え行動できるようにすることです。
 荒れて授業が成立しない学級の場合は、日常的に突発的なことが起こりますから、トラブル対応に時間が取られます。私の経験では、最初の1か月は事件の連続で自分がやりたいと思っていたことはできませんでした。
 それでも、夏休みまでに学級の問題を自分たちで解決する活動を数回経験しておくと、2学期がスムーズに迎えられると思います。
 これは教師の力量の判断基準ではありません。私は力がないと思う必要はまったくありません。大切なことは、学級づくりのストーリーを描くことであり、見通しを持って取り組むことです。そして、その取り組みを楽しむことです。
 学級がチームになるためには、学級全員が力をあわせる課題が必要です。人間関係の課題を解決しながら育てていきます。
 学級づくりが難しくなってきた今、学級のチームとしての機能に注目し、強化しましょう。学校行事で、一人ではできない課題を、みんなの力で合わせる経験をくり返すと、成長します。課題解決の過程で、間違いなくチームとして機能していきます。
 学級がチームになるためには、質の良いチーム体験が必要です。それまで学級の雰囲気がよくなかったけど、学校の行事でよい結果がでると、みんな仲がよくなって学級の雰囲気がよくなったという経験を持つ教師もあるでしょう。
 学級づくりは新年度の最初が勝負といっても、自分の学級の状態を分析し、それに適した手だてを持って腰を据えて取り組みましょう。
 学級状態の状況をみて変更してもよいが、学級づくりの見通しを持ってストーリーを描いて取り組みを楽しんでください。
(
赤坂真二:1965年新潟県生まれ、上越教育大学教授。学校心理士。「現場の教師を元気にしたい」と願い、研修や講演を実施して全国行脚。19年間の小学校勤務では、アドラー心理学的アプローチの学級経営に取り組み、子どものやる気と自信を高める学級づくりについて実証的な研究を進めてきた)

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