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学級づくりの「決めて、はずしてはならないポイント」とはなにか

 私は、数多くの教室を訪問する機会があります。教室に入った瞬間にワクワクするような空気を感じることがあります。そのような教室では、決まってレベルの高い授業を見ることができ、子どもがしっかりと育っているのです。
 教師を悩ませている多くの学級は、学級内の人間と人間の関係がうまくいってなかったり、小さなトラブルが頻繁にしていたりする場合があります。
 そこで、大切なのが、「子どもと子どもの心をつなぐ」「教師が子どもたちと心を通わせる」「教師が保護者と信頼関係をつくる」ということです。
 このような関係づくりができるかが学級づくりの決めてとも言えます。一人ひとりの子どもの内面をとらえ、寄り添いながら指導することが大切です。
 学級づくりではずしてはならないポイントは
(1)
学級づくりのストーリーを描く
 学級づくりを「その日暮らし」にしないために、自分が担任する期間の大まかなストーリーを描きます。
 教師が子どもにこうなってほしいというイメージを描かなかったら、指導はできません。例えば、教師が「自立して自分たちの行動に責任をもつ」という子ども像を描いたら、子どもたちがそこに近づく可能性がグンと高まります。
 おおざっぱな子ども像ではダメです。「あいさつは相手を見て」「掃除はだまって、集中して」などと、場面ごとに具体的に設定します。具体的であればあるほど、指導の正確さが高まります。
 活動させるとき「さあ、やってみよう!」では、動かないことが多々あります。その活動にどういう意味があるのか、熱を込めて語ります。例えば
「クラスみんながシーンとして掃除すると、周りのクラスはみんなのことをどう見ると思う?」
「そう、スゲー! って思うだろう。どうだい、そんなクラスをめざしてみないか」
「きみたちだったら、絶対できると思うよ」
と、本気で語ります。教師の本気が子どもの本気を引出します。
(2)
見守る
 子どもが動き始めたら、あれこれ口を出さないことです。口を出せばうまくいくかもしれないでしょう。しかし、子どもに何が残るでしょうか。「先生がいないとダメなんだ」と自信を失わせるかもしれません。
 それより、多少時間がかかっても、子どもに乗り越えさせたほうが「できる」と子どもに自信をもたせることができるのではないか。
 失敗したら「大丈夫、きっと君たちならやれる」「ここが良くなったよ。あと少しだよ」と励ます。筋道をはずそうになっていたら軌道修正してやる。うまくやり遂げたら「さすがだね」とその努力を認めるのです。
 転ばぬ先に杖をついて、自力でやり遂げる力を奪うより、転ぶのを見守り、起きるのを励ます方がよほど子どもに力がつきます。
 関わり方で大事なのは、方法まで示してしまわないことです。方法まで示すと、子どもは考えなくなります。
 目的を示し、方法は「考えてごらん」と時間を与えます。この思考の過程が子どもたちを鍛えます。そして、自分たちで決めたら、そこを認めます。「やっぱりね。自分たちで解決すると思った」と。
 思春期の子どもたちはプライドをとても大事にします。だから、叱るときも、ほめるときもプライドを尊重します。
 
「こうやってごらん」という指示は、考える力を奪っているかもしれません。「AとB、どっちならやれる?」と選択させることも、プライドを尊重することになります。
(3)
さらけ出す
 子どもは「人間としての教師」を見ています。教師が自分の弱いところも、さらけ出すことで、子どもたちとの距離も縮まります。
 立派な教師であろうとすればするほど、子どもとの関係にすき間ができます。
 人間としてのつながりのうえに、優れた実践が生まれるのです。
(
赤坂真二:1965年新潟県生まれ、上越教育大学教授。学校心理士。「現場の教師を元気にしたい」と願い、研修や講演を実施して全国行脚。19年間の小学校勤務では、アドラー心理学的アプローチの学級経営に取り組み、子どものやる気と自信を高める学級づくりについて実証的な研究を進めてきた)

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