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学級を荒らす教師、荒れた学級を回復させる教師とは

 学級を受け持つと学級が荒れる教師がいます。そのような教師には、社会性や人間関係を学ばないまま教師になった幼稚な人。昔の時代に逆戻りしたような教師と子どもの関係を押しつける人などがいます。
 一週間もたずに学級が崩れ出した教師がいました。学歴は優秀ですが、その教師は表情が乏しく、どこを見ているかわからないし、声が小さい。マイペースで、子どもたちにやらせっぱなし、言いっぱなし。
 課題を出して、子どもたちができたら、持ってこさせて丸をつけるけど、次の指示を出さないから、終わった子はふらふら遊び出す。できない子はしゃべりだす。
 全体を統率するどころか、見渡すこともできない。「ケンカしています」と言われると、その場に行って「どうしたの」って話を聞く。その最中に、後ろでケンカが起きていても、それが見えてないし、感じてもいない。
 ふつう、教師はいろいろ工夫するものです。どうしたら、子どもたちは乗ってくるだろうか、集中するだろうかって。でもそういう配慮がないんです。
 保護者から学校や校長に電話がジャンジャン鳴り、臨時保護者会が何度も開かれました。結局、二学期の途中で担任をおろし、代わりに教頭が入ることでおさまりました。
 それに対して、荒れた学級の後を何回も引き継ぎ、回復させる教師がいます。
 その女性教師は、歯に衣着せぬ語り口、元気でさばさばした性格。学級の子に、背や肩に手を置きながら話しかけるようにしている。その子の緊張度が手のひらを伝わってくるからだ。そんな細やかな一面ももっている。その教師に学級運営の話を聞いた内容は次のようであった。
 小学校の高学年は難しくなっているけど、何らかの対処はできるはず。ハチャメチャと思えることをしたほうがいい。今までの概念に縛られていたらだめです。
 座らない子が多いのなら、机をとっぱらって授業をしてもいいわけだし、保護者を教室に入れてもいい。そういう工夫はいくらでもできる。
 集団の中で、勉強や人間関係についていけない子はかならず出てくる。そこから荒れが始まる。でも、そういう子どもたちを、なんとか、つないでいくのが担任だと思います。
 教師に、子どもがちゃんと見えていれば、いいんじゃないでしょうか。子どもたちはみんな、自分のことを見てくれる、聞いてくれる教師を求めているのですから。
 荒れるのは、教師が一部の子しか見ていないからです。はみ出した子を担任が拒否すると、問題が倍増して、他の子どもたちへの被害も大きくなる。問題行動があったとしても教師が最終的にその子を受け止めていてくれたら、崩れることはないでしょう。
 暴れる子、刃物を振り回す子、不登校の子、いじめのある学級を受け持つことが多く、すごくたいへんでした。
 でも、一年間かければ、問題があってもとりあえず平穏だったり、なにか起きても対処できる状態になったりします。
 どんな子とも、人間関係が築けるまでになりました。なぜできるか。それは相手との距離、レベル、限界といったことを計ることができるからかな。
 私自身が子どもの頃、学級のトラブルメーカーでした。問題が起こるごとに、担任の先生がいろんな形で収めてくれて、そういう先生にいっぱいめぐりあってきたのが大きいと思います。
 人間関係にもまれてきた経験からくる、野生の勘ですかね。教わってわかるとか、マニュアルで学ぶとかできないでしょう。
 トラブルメーカーだったとか、不良だったとか、そういうふうに過去のある教師ほど、学級経営はじょうずですよ。 
(
森口秀志:1966年東京都生まれ、フリーライター、エディター。大学在学中から教育・音楽・若者文化等をテーマにルポを発表)

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