« 子どもとの関係がこじれ気味のとき、改善するには、どうすればよいでしょうか | トップページ | 教師は批判を嫌う、保護者にどのような態度で対応すればよいのでしょうか »

コーチングの考えで子どもを叱ると、子どもは受けとめてくれます

 コーチングは「子どもを認める」ことから始まります。どんな状況でも子どもの良さを見つけて承認することが大切です。それこそが、子どものやる気を引き出すのです。
 叱ることの本来の目的は、考えさせ、反省させ、改善への努力をさせることです。
 叱るべき行為があったとき、教師は本当に事実なのか、叱る必要があるかを考える。教師が確認した事実を伝えて、子どもの認識と違っていないか確認する。違っていなければ問題点を伝える。
 わからない子には、問題点を理解できるように教える。「先生は・・・と考えている」と伝え、子どもの気づきを深める。
 反省させて「じゃあ、どうしたらいいと思う?」と今後どうすればいいかを考えさせる。
 叱るとき、言葉は慎重に選びたいものです。命令や禁止形で言われた子どもは反発を感じやすい。「○○しましょう」と奨励形を多く使うよう心がけたいものです。
 コーチ先生は子どもの人格を尊重する言い方をします。「あなたらしくないぞ」と叱ります。このひと言が子どもの心にしみこみ「自分は先生に認められている」と実感させます。
 朝、遅刻してきた子どもに対して、コーチ先生は「先生は、あなたを待っていたんだよ」と言います。いけなかったなあ、という反省を子どもにうながすことになります。
 子どもにとって、何を叱られるより、誰に叱られるかの方が重要なのです。この先生ならわかってくれているという信頼関係が何よりも必要なのです。
 教師は子どもの行動を変えたいとき、子どもの自尊感情を大切にし、きちんと教師の意思を伝えるようにします。すると、素直に聞き入れてもらえるようになってきます。そして、お互いに信頼関係が生まれ、学校がますます好きになっていきます。
 注意をうながすのであれば、気づいたらすぐ叱るようにしましょう。コーチ先生は、その場で、あっさりと叱ります。先ほどまで叱られていた子どもが、その直後にはもう一緒に笑い合っています。
 最近の子どもたちは、注意しても素直に受け止められず、教師との関係をこじらせてしまうケースも多くなっているようです。
 授業中、おしゃべりをやめない子がいたとき、YOUメッセージでは、例えば
「うるさい。○○くんの発言が聞こえないじゃないか。静かにしなさい」
と言うと、子どもにとって非難に聞こえやすく、反発を誘発する危険があります。
 コーチ先生は、Iメッセージを使います。
「先生は○○くんの意見が聞きたいんです。静かにしてください」
となります。Iメッセージのほうが素直に聞こうとする感じがしませんか。これは、自分に主体性を持たせることで、相手が受け止めやすくなるからです。
 学校生活で叱らなければいけないことがあります。そのときは理由を付け加えるようにします。
 例えば、清掃後の雑巾が濡れたままで散乱していたとします。
「何だこれは、どうなっているんだ」と叱ることがあります。問答無用の叱り方では理由がわからない。これに、ひとこと理由を示すと、叱り方の印象がまったく違ってきます。
 コーチ先生は「雑巾を濡れたまま散らかしっぱなしだとカビも生えるし、次の人は使いにくいよね」と叱ります。子どもの意識はまったく違ったものとなります。
 叱られた内容をきちんと説明し、何を反省したらよいかを明確にすると、子どもは反省して行動することができるようになります。
(
神谷和宏:1960年生まれ、愛知県公立中学校教師。 読売教育賞などを受賞。教育コーチング、心理カウンセラー)

|

« 子どもとの関係がこじれ気味のとき、改善するには、どうすればよいでしょうか | トップページ | 教師は批判を嫌う、保護者にどのような態度で対応すればよいのでしょうか »

叱る・ほめる・しつける」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/173207/65291879

この記事へのトラックバック一覧です: コーチングの考えで子どもを叱ると、子どもは受けとめてくれます:

« 子どもとの関係がこじれ気味のとき、改善するには、どうすればよいでしょうか | トップページ | 教師は批判を嫌う、保護者にどのような態度で対応すればよいのでしょうか »