保護者に信頼されるにはどのように接すればよいか、そのポイントとは
学校と家庭の協力は、対等の関係で協力し手を結ぶものです。これまでは、学校や教師の言い分に保護者が従い、協力するものと思い込んできた傾向があります。
今は、学校は教育サービスを提供する場だと考える必要があると思います。したがって指示的な話し方などは避けるようにします。
教師は話し方や、話の聞き方など、保護者に対しては社会人として接し、それでいて気配りもできる。つまり、世間の常識を心得ている人になればよいと思います。
教師は子どもを指導することが仕事ですから、その指導が確かなことが保護者から信頼される第一条件です。
そして、保護者の意見に耳を傾けることのできる柔軟さも、教師には大事だと思います。保護者の意見の適否は後から考えればよいでしょう。
保護者が発言すると、文句か批判としか受けとれないようなかたくなな教師の態度は、保護者との心の距離を広げてしまいます。教師は、人間関係づくりに巧みになってほしいし、それをおっくうがらないことです。
ささいなことで、人間関係がつくられもするし、崩れもします。保護者の問い合わせに対する返事や連絡はすみやかに行うようにします。
返事することを忘れたり、そのままにしたりすれば、誠実さが無いと思われます。大人同士のかかわりでは「忘れた」では済まされません。誠実さは、人間関係の土台です。
言い訳、釈明、言い逃れはしない、爽やかさも必要なことです。詫びるときは詫び、主張することは、言葉を選びながらもきちんと話しましょう。
大ふろしきを広げて「あれも、これも実践する」などと公言せず、できることから小出しに実践する慎重さも必要です。
(飯田 稔:1933年生まれ。千葉大学附属小学校に28年勤務、同校副校長を経て、千葉県浦安市立浦安小学校校長。千葉経済大学短期大学部名誉教授。学校現場の実践に根ざしたアドバイスには説得力がある)
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