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若い教師は日常、学級づくりなど、どのように実践しているのでしょうか

 若い教師たちと話し合っていると、仕事の忙しさ、「授業の進度や掲示物を学年で合わせるように」と注意されるなど同僚の教師との関係づくりのむずかしさや、保護者が怖いという声も聞かれました。
 今日の学校がおかれている厳しい状況をそのまま反映したものですが、それにしても、若い教師が感じている窮屈さは尋常ではありません。
 その一方で、これほど厳しい状況のなかでも
「聞くことと、待つことを大切して子どもと関わっていきたい」とか
「子どもと通じ合えたと思える瞬間があるから、この仕事はやめられない」
といった、子どものそばに立ち続けたいという強い意志を、若い教師たちが持っていることに感動をおぼえました。
 おそらく、全国には、同じ思いを持つ若い教師たちが、泣き、笑い、そして少しずつ成長する日々を送っていることでしょう。
 どんなにすばらしい実践でも、その教師と子どもたちとの教室の文脈のなかで生まれたものです。同じやり方をしたからといって、自分の教室でうまくいくとはかぎりません。
 それよりも、悪戦苦闘しながらも、自分らしく生きようとしている「教師仲間たち」の思いにふれることが、困難な現実と格闘している若い教師たちをはげますことになるのだと思います。
 若い教師仲間たちがどんなとり組みをおこなっているのか集めてみました。そこには、若い教師の教育観や子ども観を垣間見ることができます。
1 座席の決め方
(1)
席替えはクラスの大事なイベントです。新しい人間関係がそこで生まれます。最初は名簿順、その後の席替えは「いろんな子と関係を作ることが大切」と伝えて、必ずくじ引きにします。
(2)
席替えは「くじ引き、先生の案、好きな人どうし」など、毎回どれにするか子どもたちと相談してから決めます。メリット・デメリットを話し合い、子どもたち自身で方法を決めるので、後から文句をいいっこナシになります。クラスの状況によって、けっこう変わります。
2 朝の会・帰りの会
(1)
1年生でも日直ができるよう、セリフの書いた紙を見えるところに貼っておきます。
 スピーチは朝、日直が必ずやる。原稿の型をつくっておき、前日の空いた時間や放課後に子どもを呼び、いっしょに考えるようにした。自分で考えられる子は原稿だけを持って帰った。
(2)
帰りの会で「今日、輝いていた人」「今日あった、いいこと」などを出させます。「今日、○○ちゃんが手伝ってくれた」とか、私が気づかなかったことを話してくれます。
(3)
今日、よかったことを言ったり、係からのお知らせを言います。帰りの会は短く。
(4)
帰りの会で「今日のステキ」というコーナーをつくった。
 友だちについて「やさしくしてもらったこと」「頑張っていたこと」「ステキなところ」を発表しあう。友だちからほめてもらえることで、自己肯定力が芽生える。「ステキな行動をしよう」とクラスのみんなに広まっていく。
3 給食
(1)
毎日、担任は一グループずつ回って子どもといっしょに食べる。お誕生日の子どもがいたら、係の子が前にでて、牛乳でカンパイ。
(2)
一班4人にして、一人一役リーダー制にすると、全員が責任もつことができてよかったです。給食リーダーが班員に声をかけて机を移動、マットを準備させ、静かに座ってるようにします。準備OKの班から日直が呼んで給食を取りに行くようにすると、静かでスムーズに早くできます。
(3)
デザートなどがあまったときには「おかわり券」方式にしました。一人一回使ったらもうそれ以降は使えない。このおかげで「今日は使わない」という子がいるので、じゃんけんで争奪戦という場面がありませんでした。
4 掃除
(1)
「キレイになったよ。ありがとう」と声をかけて回る。
(2)
一生懸命やっている子たちをとことんほめます。「このクラスは掃除が早くてうまい」とクラス全体をほめると、掃除のやる気もアップするし、みんなで協力するようになっていきます。
(3)
「天国と地獄」「剣の舞」など、テンポのよい曲を15分くらいかけます。毎回15分意識して掃除ができます。 
5 休み時間
(1)
外遊び(おにごっこ、ドッヂボール・・・・)します。
(2)
けん玉、ビー玉、おはじき等を教室に置いています。
(3)
外で遊ぶ時間にします。家に帰ったら外で遊ばない子が多い。体を動かすことはとても大事なことです。
(4)
とにかくいっしょに遊ぶ。子どものありのままの姿が見えるし、信頼関係ができる。先生が遊びに入ることでクラスのみんながいっしょに遊ぶようになる。男女仲よくなる。
6 教室掲示
(1)
子どもたちが集中しにくくならないよう、教室前面黒板の周辺は、あまりいろいろ貼らずスッキリさせる。
(2)
学習した内容は廊下側の壁に、各教科ごとに模造紙にまとめて掲示しています。子どもたちが前に学習したことを思い出すのに役立つようです。
 後ろの壁には、全員の「顔写真」と「めあて」がはってあります。
 そのそばに付箋紙がたくさん置いてあり、友だちのがんばっているところや、ありがとうを伝えたいことなど、自由に書いて、顔写真の下に貼っていけるようにしてあります。 書いてある内容は、帰りの会や学級通信でも紹介します。
7 係活動
(1)
面白かったのは「給食の時間を楽しくするお笑い係」で、曜日代わりでコントや「などなど」をやってくれました。
(2)
係があることでクラスが楽しく、明るくなる。みんなで必要な係を考え出し合って決めます。例えば、レク係、ギネス係、音楽係、お笑い係などです。できるかぎり自分がやりたい係になるようにします。
8 楽しい生活づくり
(1)
学級通信に子どもの作品をたくさん載せるようにした。高学年のとき、ユーモア詩を載せたことで、クラスの空気が変わった。
(2)
お誕生日会を2,3カ月に一回計画している。席替えしたときに、班対抗ジャンケン大会をする。
(3)
学期に1,2回お楽しみ会などの集会を開きます。司会進行、飾り付けなど、すべての仕事を子どもたちに任せ、教師はサポート役に回ります。やる前「みんなで楽しむ会にする!」と確認します。
9 叱る
(1)
頭ごなしに叱って、心が通じなくなってしまったことがよくあった。
「あなたはどう思う?」「あなたはどうしたい?」と最後に問うと、子どもから「謝る」など出てくるので、お互い納得した解決ができたと思う。
 叱る言葉は一切言わず、聞くことに徹したことで、本心が出てきて解決の糸口が見つかった。
(2)
子どもに理由や願いを聞く。方法が間違っている場合は、間違っていると言い、願いは認める。納得するまで話は聞く。
(3)
ゆっくりていねいな言葉で話すように心がけています。感情的、一方的にならないよう努力して聞く姿勢を大切にしています。
(4)
先生が叱るときのポイントを子どもたちに提示しておく。
「命に関わる危険なことをしたとき」「人を傷つけた、いじめをしたとき」「うそをついたとき」
この3つがあったときは本気で叱る。
(
佐藤/隆:1957年生まれ、都留文科大学教授。教育科学研究会副委員長、『教育』編集長。教育学、教育実践学、教師教育論を主な研究領域としている)

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