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叱り方に悩んでいる人は、どうすれば「よい叱り方」になるのでしょうか

 子どもを叱ったり、怒ったりするのは、子どもに伝えたいことがあるからです。ですが、感情的になったり怒鳴るだけだったりすると、子どもはなぜ叱られたのか、その理由がわからないままになることがあります。
 そこで、私はつぎのようにしています。
1 叱る前に「見る」
(1)
タイミングを見る
 声をかけるタイミングをみます。何かに夢中になっている途中では、話しかけられたくありません。
(2)
過程を見る
 結果だけを見ないで、その過程をみます。すると、かける言葉が変わってきます。
2 先にいいところを伝える
 言いたいことがあるときは、先にいいところを伝えてください。すると、その後の本当に言いたいことが伝わりやすくなります。
 人は聞きたくない話には耳を閉ざします。だから、先にうれしい話をして耳を開いてから伝える。すると、案外、聞き入れてくれるようです。
3 正論より共感
 人は共感してくれる人に心を許します。子どもの気持ちに寄り添うと「わかってくれているんだ」と思うでしょう。共感の気持ちが安心や信頼につながります。
4「あなたが悪い」でなく「ここが悪い」
 叱るときは、子どもが悪いのではなく、やったことが悪いのだと伝えてください。例えば「壁に落書きするのは悪いことよ」とやったことを否定するのです。
 子どもを叱るときには、子どもの自尊心を傷つけないようにしましょう。自尊心を傷つけない叱り方とは、本人を否定しないで、やったことを叱ることです。自分という人格を否定されたことにならないから、劣等感には結びつきません。
 大切なのは、子どもの気持ちを尊重する接し方です。とくに「叱る」ときには、子どもの失意、失望、自己否定などの負の感情をもたせないよう心がけてください。
5 原因の追究より次の行動
 私は以前、子どもの問題行動を「なんでこんなことをしたんだ?」と問いつめていました。子どもは「だって・・・・・」と言いわけするしかなく、会話は悪循環になるだけでした。
 そこで「なんでこんなことをしたんだ?」ではなく「どうしたらいいのかな?」と、聞いてみることにしました。「なんで」では、解決につながりません。
「どうしらいいのか」「何をすればよいのか」と、するべき行動が具体的にわかれば、子どもたちの体も気持ちも動きやすくなります。
 そのためには「どうする?」です。子どもはきっと、自分なりのアイデアで問題解決していくでしょう。
6 叱るときには深追いをしない
 叱るときは、ひきずらないように叱ることが大事です。叱るときには決して深追いをしない。人と比較しないで「さらっとひと言で」が秘訣です。
 叱られたところから、自主的に立ち直れるようにしてあげないと、子どもはいつまでも叱られた悲しみから抜け出すことができなくなってしまいます。
 子どもを「叱る」ことで悩んでいる人は、日々の暮らしのなかで、一回でも多く「ありがとう」と言いましょう。大人が子どもに言うのです。「ありがとう」は相手をほめることにつながります。
(
佐々木正美:1935年群馬県生まれ、児童精神科医。様々な大学や機関を経て、川崎医療福祉大学特任教授、横浜市リハビリテーション事業団参与。子どもの発達について幼稚園等と勉強会を重ねている)
(
若松亜紀:幼稚園教師を経て親子の集いの場「陽だまりサロン」オーナー)

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