今の若い教師はけなすとすぐ意欲をなくす
私は、幸か不幸か、教育大学附属小学校に25年間勤務した。その間、「ほめられたことは一度もない」のである。けなされる一方であった。これが「普通」であった。
今の若い教師はけなすとすぐ意欲をなくす。ほめられることになれすぎている。このくせを直さないと伸びない。
私にとって、実力がないからけなされるのが普通であって、もし、ほめられたら気持ちが悪かったはずである。
授業を見てもらって、もっとけなしてもらうことである。授業を見せないようでは、伸びるわけがない。
教育大学附属小学校の教師でさえ、ちょっとけなすと「頭にきた」「むかむかした」などと言う。自分の実力は棚に上げて・・・・・。
とにかく、指導案を書いて、授業を見てもらって率直に意見を言ってもらうことだ。
うまくいかなかった授業からは「なぜうまくいかなかったか」という原因が学べる。
うまくいった授業からは「これはいい教材だ」とか「この発問がよかったのだ」、「これだけは何としても教えたいという強い願いがある」・・・・ということが学べる。
意欲ある教師にみえるのに、雑誌一冊もとっていない教師がいる。これにはあきれる。
伸びている教師をみていると、雑誌をよく読んでいるし、本をよく買っている。そして、よく内容を覚えている。
進歩の時計の針を一度止めると、なかなか動かない。毎日コツコツと、一歩一歩努力を積み重ねるしかない。私も今、時計を止めないように修業中である。
(有田和正:1935-2014年、福岡教育大学附属小倉小学校、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授、東北福祉大学教授、同特任教授を歴任した。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し、数百の教材を開発、授業の名人といわれた)
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