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中学生をやる気にするには、どうすればよいか

 中学生をやる気にするコツがある。それは
「教師が、一人の例外もなく、どの子も見捨てない」ことだ。そのためのアクションを起こし続けることだ。
 教師があきらめず、どんな生徒にもかかわり続ける覚悟を持つことだ。どんな生徒も必ず変わることができる。
 教師があきらめず、かかわり続ければ、生徒は必ず変わる。そしてやる気になる。
 私は面と向かって生徒に一対一で話をするのが苦手だった。一人の生徒を目の前にすると言葉に詰まることがたくさんあった。力のない教師だった。
 それでも、生徒にとって価値のある教師になりたいと願い、生徒へ「言葉」を送り続けることを徹底的にやろうと考えた。生徒を見て、そのときに必要な言葉(考え方)を伝え続けた。
 教師は語るほどの体験がないと思っている人が多い。人の人生はみなドラマだから、そんなことはない。人の数だけドラマがある。これまでの人生の出来事を描写し、伝える能力が鍛えられていないだけだ。
 私の場合は、はじめは学級通信で「描写」を意識して伝える訓練を意識して行ったが、 生徒は教師の生の言葉によってやる気になることのほうが多いように思う。
 生徒は教師の説教をきかない。生徒は教師の語り(エピソード)を求めている。生徒が場面や人物をイメージできるように、そのときの思いや考えを話すのがよい。
 初恋や失恋の話、進路決定や失敗談など中学生は本当にあった教師の体験談を待っている。十八番を作っておくとよい。信頼する教師のエピソードなら、中学生は必ず聞く耳を持っている。
 生徒から信頼される教師になるには、真面目で格好の良い、生徒があこがれるような姿を見せることだ。
 それは特別なことではない。進んで挨拶を行う。掃除をする。給食の配膳を一緒に行う。生徒に声をかけて、一緒にやらせる。ダメなことはダメだと言う。このようなことを毎日積み重ねるのだ。そういう姿を生徒は見ている。
 生徒がやる気を出すには、学級の生徒一人ひとりと関係を作ることが重要だ。それしか道はない。毎日、目の前の一人の生徒に声をかけ成長させ、一人の生徒をやる気にするのだ。
 はじめは、たった一人の生徒と確かな関係を作り、やる気にすることだ。一人また一人と繰り返し確かな関係をつくっていくことだ。
 毎日の教師の仕事とは「励まし」である。どの子も一人の例外もなく励まし続けることである。
 どんなに手のかかる生徒でも、教師がかかわり続け、励まし続ければ、生徒は必ず変わっていく。自分で動き出す、やる気を持つようになる。
 中学生をやる気にするのは教師の言葉だけではない。教師の表情、態度、反応などの次のようなことを、子どもたちは見ている。
 そういった教師の姿を見ながら、自分と教師との距離を測り、関係を築いていこうとする。
(1)
生徒を見つめてコメントする 
 教師が生徒に話をするとき、教師と生徒の目があうと生徒がやる気になる。一人ひとりの生徒を見つめながら話をすると、聞いている生徒はやる気になるのだ。
(2)
教師は笑顔で
 中学校の教師は、笑顔でいるとなめられると思っている。しかし、それは違う。笑顔で自分のことを迎えてくれる大人に中学生は安心する。にらみをきかせ、抑えつける教師に生徒は心を開かない。
 生徒から「この先生は」と一目置かれるには、教師は笑顔で生徒と接し、日常、生徒とのかかわりを大事にすることだ。誰よりも生徒に声をかけ、掃除をし、一緒に過ごす。そして、授業の腕を磨き、生徒をできるようにするとよい。
(3)
生徒に声をかける
 教師に声をかけられることによって、生徒は「先生に大切にしてもらっている」と感じる。「声をかけない」ということは「お前に関心がない」というメッセージだ。
 中学生は自分に「関心もってくれる」「理解しようとしてくれる」教師のためにやる気を出す。
(4)
生徒を一度は受け入れる
 やんちゃな子の言っていることを一度は受け入れてみることだ。これで、私はやんちゃな子と人間関係を少しずつ作ることできた。
 教師は自分の言っていることが正しいと考えている。間違いではないが、生徒に言うことをきかせるだけの教師を生徒は認めない。そこに必要なのは、生徒の「理解と納得」である。
 生徒はなかなか自分を変えられない。ならば、教師が生徒の考えや行為の意味を受け入れ、対応を考えることだ。
(5)
言って聞かせて、やってみる
 一回や二回やって見せて終わりにしてしまう教師が多いがそれではダメだ。やり続けることだ。教師がやってみせることが、実は「言ってきかせる」ことでもあるのだ。どのようにやるのか、どれだけやるのかを示しているのだ。
(6)
わかる授業、できる授業
 わかる授業、できる授業は難しい。だから、本を読み、セミナーに出かけ、人と会うことを続けることだ。生徒はできなかったことを、できるようにしてくれる教師の言うことをよくきくようになるのだ。
(7)
ほめて、ほめて、ほめる
 ほめて生徒を動かせるようになるには、やはり教師の勉強が必要だ。生徒をほめて動かす技量はかなり高いレベルなのだ。ほめられて生徒が動くようになるには、生徒に一目置かれる教師になることが必要だ。
 生徒から信頼され、生徒をやる気にしようと思ったら自分の技量を上げるしかない。「ほめる」ことは、それだけ難しいのだ。
(8)
教師のあきらめない姿を生徒に見せる
 教師が生徒のことをあきらめたらダメだ。どんな生徒にもあきらめない姿が周りの生徒をやる気にする。
 教師のあきらめない姿を周りの生徒も見ている。教師がやっかいな生徒でもなんとかしようとしているから、生徒も一緒になんとかしようと考えるようになるのだ。
(
垣内秀明:1965年長野県生まれ、長野県公立中学校教師。教育サークルTOSS中学信州代表)

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