保護者のタイプによってどのように対応すればよいのでしょうか
保護者と言っても、性格や考え方、年齢はさまざまです。家族関係や経済状況、肉体的、精神的に悩みを抱かえる人もいます。
その人に応じたやり方で対応する必要があります。どのように対応すればよいのでしょうか。
(1)被害妄想的な保護者
教師が子どものために助言しても、保護者は「先生はわが子が嫌いなのだ」と、悪い方にばかり考え人がいます。
このような人には、遠慮した態度で接するのを避け、できる限り明確に、要望や協力要請をズバリ伝えるようにしましょう。子どもの良い面も必ず伝えます。
「悪いことは悪い。良いことは良い」と、はっきり伝えることで「先生は裏のない人だ」と理解してもらえると、相手は余計な詮索をしなくなります。
(2)感情爆発する保護者
穏やかに会話していたと思ったら、急に感情を爆発させる保護者がいます。会話しているうちに、徐々に感情が高ぶり爆発するといった具合です。
このようなタイプだと気付いたら、心づもりをしておきます。言葉づかいや態度には十分心がけ、言葉を選びながら 真摯な姿勢で接するようにします。
(3)怒鳴る保護者
電話で怒鳴りちらしたり、学校に怒鳴り込んできて苦情や要望をまくし立てる保護者がいます。
このタイプの人は、一通り言いたいことを言った後は、落ち着く場合がほとんどです。
圧倒され、委縮しそうになりますが、まずは話を合わせて受け流しながら、相手の感情がおさまるのを待つことに専念します。
対応に本腰をいれるのは、冷静になった後です。
(4)教師を見下す保護者
人を見下す態度をとる保護者がいます。なかには教師というだけで見下す高学歴・高収入の人もいます。
このタイプは「相手に認められたい」という気持ちを強くもっています。ですから、知識をひけらしたとき「勉強になります」というひと言が効果的です。
認められることによって、自然に心を許し、教師の言い分にも耳を傾けてくれるようになります。決して、相手と張り合わないようにしましょう。
(5)溺愛型の保護者
子どもは親の前では「良い子」を演じているので、トラブルが起こると「悪いのはすべて周り」となってしまいます。
ですから、本来の子どもの姿を認識してもらうために、些細なトラブルであっても必ず伝え、いざ大きなトラブルが起きたときに「うちの子に限って」とならないようにしておくことが大切です。
(6)年配の保護者
年配の保護者を前にすると、引け目を感じてしまいますが「任せて大丈夫」と感じてもらえるようにします。
子どもをよく観察し、子どもと活動を共にして、若い教師にしかできない指導、学級経営を行います。情熱的で一生懸命な教師を応援してくれるものです。
(7)シングルマザー
一人で子どもを育てることは、たいへんなことです。余裕がない場合がほとんどです。
「お母さんに感謝していると思います」
「お母さんの気持ちを分かっていると思います」
といった、親の苦労やがんばりを認めるひと言が必要です。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方研究会」を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)
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