授業中、騒がしくなったときや暴言、やんちゃな子にどう対応すればよいか
教室が騒がしくなったとき、私がよくやるのは、何か物を(消しゴム、鉛筆等)一瞬見せてから、すぐに後に隠す。そして「今、先生が何持っていたか分かった人?」というように子どもたちに聞く。
しっかり見ていた子どもは手を上げ、答えることができる。そうすると、一度も叱らずに聞いている子、見ている子をほめることができ、こちらを向かせることができる。
やんちゃな子は、けんかの天才だ。自分がやったことでも、たった一点違うことを教師が言った瞬間「先生がうそをついた」と、聞き逃さないし、見逃さない。一気に形勢は逆転して、教師は多くの子どもたちを敵に回してしまうことになる。
このため、したたかなやんちゃな子との闘い方のポイントは「今起きた事実、一点にしぼって注意」をする。一点にしぼって言えば、言い逃れができないし、周りの子どもたちもみんな見ていたことだから、どの子も教師の言うことに同意する。
やんちゃな子への対応の基本は「心をつかめ、闘え、いとおしいと思え」の三つである。
教師は、やんちゃな子の情報(好きなこと、得意なことなど)を得ておくとよい。例えば、なわとびが好きだと、休み時間にいっしょになわとびをして、心をつかむのである。
やんちゃな子との闘いは、絶対に負けられない。そのために決して負けないただ一点にしぼり、多くの子どもを味方につけて闘うのだ。隙をみせてはいけないのである。
やんちゃな子の心をつかみ、闘うとともに、やんちゃな子がいとおしく思える教師でありたい。やんちゃな子がかわいいと思えるために、心をつかみ、闘うのである。
暴言を放置すると「この先生は、悪い言葉を言っても怒らない」とエスカレートする。暴言は絶対に許さないという教師の毅然とした姿勢が大事である。どうすればよいか。
「今、何を言いましたか?」と、暴言を聞いたときに、言った子に、もう一度、言わせてみるとよい。ふつうなら、まずいと思うはずである。
そこで「今、ばかと言ったでしょう!」と言ってはいけない。子どもは「言ってません」とうそをついてしまう。言った、言ってないという問題にすり替わってしまう。
教師は、冷静かつ毅然とした態度で「今、何を言ったか、もう一度、言いなさい」とだけ言えばよい。大事なのは、それをクラス全員に聞かせるように、やるということである。
(奥 清二郎編著:1965年大阪生まれ、大阪府私立小学校教師。TOSS大阪なみはや代表)
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