子どもが「学校のきまりを守らない」ことを保護者が認めているとき、どうすればよいか
子どもがアクセサリーを身につけて登校したり、髪を染めたりなど、学校のきまりを守らない子どもがいます。
それを、わが子に注意するどころか、認め、学校が間違っていると批判する保護者がいて、指導に困ることがあります。どうすればよいのでしょうか。
このような保護者の中には、教師が何を言っても持論を譲らない人がいます。恫喝や威嚇するような態度で主張する人もいます。
「個人の自由だ、人権の侵害だ」と、声を上げる人の意見は影響力があります。しかし、特殊な少数意見である場合が多いので、慌てて早まった結論を出さないようにします。
「きまりを守るのも、学校の大切な勉強ですから」
「強制はしませんが、お子さんの指導は続けさせてもらいます」
と伝えます。
このような保護者に、無理に学校の方針に従ってもらうことは難しいと言わざるを得ません。だからといって、その保護者の子どもだけに特例を認めることは、絶対にしてはいけません。
結果として、学校の方針を理解してもらえなかったとしても、学校の主張は曲げることなく伝え続けることが重要です。
このような保護者は、そう多くはいません。ほとんどの保護者は、良識的で学校の方針に協力してくれます。
ですから、大勢の保護者の「規律ある学校でわが子を学ばせたい」という気持ちを大切つにすることを、忘れてはいけません。
怖いのは、一人例外を許すと、それが「伝染」して、学級や学校の風紀がどんどん乱れていくことです。
そうならないように、多くの保護者に「規律を守るための協力を得る」取り組みを継続して行いましょう。
子どもが学校のきまりを守らないことを保護者が認めているからといって、教師が子どもの指導をやめてはいけません。
他の子どもが見ている前で 「直そうね」と、穏やかなひと言を、時折でもかけるようにしましょう。
その子が直すかどうかではなく、周りの子どもたちへの感化を防ぐためです。
何も指導しなければ「なぜ、あの子だけ許されるの?」と、子どもたちや保護者から不満がでます。
必ず、機会あるごとに、その子を指導する場面を見せて、規律を乱す行為は許されないことを伝える必要があります。
強制はしないが、学校の方針を貫くことで、学校の規律を守らせることが大切です。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方研究会」を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)
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