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今日、学級を育てるのは困難である、安心できる楽しい学級を創造するにはどのようにすればよいか

 四月、新学期を迎える子どもたちの心は、期待と不安でいっぱいです。
 子どもも教師も楽しいと感じる学級は、たとえぱ「けんかやあらそいのないクラス」といった、子どもの「願い」と「自覚」があって初めて実現することができるでしょう。
 しかし、今日、子どもの願いに応えながら「安心できる楽しい学級」を創り出していくことは、そう簡単なことではありません。
 社会のさまざまな矛盾を背負った子どもたちが、身体と心にたくさんの重荷を抱かえて学校にやってくるからです。
 子どもたちは可能性を見せながら、一方で不安や危機の感情もあわせて表現します。
 教師が子どもたちに注意ばかりしていると、授業中、おしゃべりや立ち歩きが始まり、時には、教師への暴言が飛び出してきます。
 子どもたちの心が殺伐として、つらく悲しくなります。表情は暗くなり、子ども同士のきずなや教師への信頼が失われていきます。
 教師が努力しても、育ち合うはずの学級が、傷つけあい壊れていくのです。
 
「可能性」と「不安や危機の感情」を併せもつ子どもたちは、どのようにしたら「安心できる楽しい学級」を創り出すことができるのでしょうか。
(1)
教師が「子どもを好きになる」こと。そして「子どもたちをよく見て、声をよく聴き取る」こと
 「荒れる子」も「キレる子」も、友だちの中で快く生きたいという願いを持っています。その願いを教師が学級の仲間に伝え「つなげていく」のです。
 だめなことを指摘するだけではクラスは育ちません。困難やトラブルに対する誠実な努力が、心に残る思い出のクラスをつくっていくのです。心温まる事実を粘り強く積み重ね、伝え、学級のみんなで確認していくのです。
 授業の中で教師が子どもたち一人ひとりの発言をていねいに聴き取ります。子どもたちが互いの声を聴き合えるクラスにしていくのです。
 私は学級にとって価値ある事実を「朝の会」や「帰りの会」で一つひとつ、子どもたちに話してきました。「先生が何に感動し、何を大切に見ているか」を伝えていくのです。
 そのとき、大切なことは「目に見える優れた事実だけをとりあげない」「子どもたちを競争させたり、比較して見ない」ことです。比較や競争の目で見ていると担任への信頼を失っていきます。
 子どもたちはそんな教師のひと言ひと言から「クラスへの愛」を感じ、自分たちの先生を深く尊敬し、前進を始めていくのです。
 そうすると、やがて学級に安心感が生まれ、攻撃的な雰囲気が消えていきます。
(2)
教師は「子どもたちと共に」学級を育て創り出していく
 新学期の始まりには、握手と笑いとユーモアで「君たちといっしょにクラスを創ろう」といったメッセージを子どもたちに伝えます。
 寄り道、回り道を楽しみながら、子どもたちの力をよりどころにして、焦らず、ゆっくりと育ち合う学級をめざしていきます。
(3)
豊かな学びと楽しい生活のどちらも大切に保障する
 生きる喜び、学ぶ喜びの実感できる「学び」を創造するのです。ときには、教室から、はみだすようなドラマと遊びを子どもたちと共に、創り出しながら、人間的で安定した学級の生活習慣を創り出していくのです。
 私は四月の学級の始まりのとき、
 
「毎日『その日、クラスでみんなが頑張ったらできることを』を日直が考えて提案し、帰りの会で日直が、提案したことを評価するようにしましょう」と話します。
 子どもたちが、どうしたらクラスで気持ちよく過ごせるようになるか、子どもたち自身が関心をもち、見つめ、行うことができるように励ましていくのです。
 日々の積み重ねを楽しみながら、子どもたちの企画による「お祝いの会」を実施していきます。公園でかくれんばしたり、サッカーをしたり、子どもたちはこの日をとても楽しみにしています。
 子どもたちの力によって支えられたクラスは、少々のトラブルや困難と出会ってもそれを乗り越えていくことができるでしょう。
「ゆっくり、楽しく、子どもと共に」これが今日の困難を切り開き、学級を希望へとつないでいく大切な視点ではないかと考えます。
(
山崎隆夫:1950年静岡県生まれ、元東京都公立小学校教諭。都留文科大学非常勤講師、「学びをつくる会」「教育科学研究会」会員)

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