担任が子どもたちを伸ばしていくためには、2つの目で子どもたちを見る必要がある
学級で子どもたちと過ごす中で、担任が子どもたちを伸ばしていくためには、2つの目で子どもたちを見ることが必要だと私は思っています。
(1)未来からの目
未来からの目というのは、子どもをどのように伸ばしていきたいのかという目標から現状を見る目です。
そうすることで、子どもに足りないことが明確になり、指導することができます。
教師は自分なりの子ども像や学級像の目標がなければ、一つひとつの実践や指導に思いが乗らず、子どもにもなぜ必要なのかを明確に指示できなくなります。
私は教室の中で、教えるべきことと、子どもたちで考えさせるべきことがあると考えています。
年度初めの4月には教えるべきことの割合は多く、年度末の3月には考えさせるべきことの割合が多くなります。
各教科での学び方や表現の仕方、掃除の仕方、けんかの解決の仕方など、最初は子どもも自分達ではできません。
最初は教師が中心となり、一つ一つていねいに指導していく必要があります。そうして、だんだんと子どもの裁量を増やしていくことが大切だと思います。
(2)過去の目
子どもと出会った当初、どのような状態だったのかという目です。
目標から現状ばかりを見ていると、足りないことに目が行き、不満や不安でいっぱいになります。そうした時、過去から現状を見ることで、子どもたちのがんばりに目が向くようになります。
4月から子どもたちは変化をします。その変化をしっかり伝えてあげることが、目標に向かうためのエネルギーにもなります。
私は子どもたちのがんばりや成長を、みんなの前で一人ひとり紹介する時間を月に一回はとるようにしています。子どものがんばりを認めていくことが大切だと感じています。
子ども自身のためでもあり、教師自身が、今やっている実践に自信を持って取り組むための力にもなります。
反省や改善も大切ですが、子どもや教師自身のがんばりを認めていくことも大切だと思います。
(金 大竜:1980年生まれ、大阪市立小学校教師。教育サークル「教育会」代表。日本一ハッピーな学校をつくることを夢見て、学級づくりの取り組みがメディアに取りあげられている)
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